高橋洋一の霞ヶ関ウォッチ
「マイナンバーカードと健康保険証の一本化」打ち出した政府の狙いを読み解く

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医療費控除で確定申告が容易になるなどのメリットも

   実は今でも紙の健康保険証は少なくなっている。マイナ保険証でなく、紙でなくプラスチックのカード型の健康保険証への切り替えが行われている。紙よりプラスチックの方が丈夫で小さいので、さすがにカード型の健康保険証を拒む人はほとんどいない。

   こう考えると、2年先の紙の健康保険証の原則廃止という場合、紙からマイナ保険証への移行とともに、紙からカード型への移行を進めていくのだろう。移行が済めば、マイナンバーカードと同じ形なので、マイナ保険証への更なる移行は心理的にはハードルがより低くなる。

   カード型とマイナ保険証の差は、紐付きであるかどうかだ。その場合、不安が出てくるのはやむを得ない。

   政府がどのように対応するのか。技術的にはこうした電子化は日本は遅れているので、他国の例を導入すればほとんどの不安はある程度解消できるだろう。

   運用面で、かつてのLINEのように海外に依存するのではないかという不安もある。公共インフラで経済安全保障法もあるので、そうしたことは杞憂であろう。

   紐付きそのものは、医療費控除で確定申告が容易になるなどのメリットも多い。セキュリティについて、世界の先行事例を見ながら、常に万全の準備を怠ってはいけない。

   なお、最近、紙の健康保険証の原則廃止に関連し、政府はマイナンバー移行で「預金封鎖」を狙っているというデマもある。これを財政破綻を煽りたい人たちが流している。「預金封鎖」は新規立法が必要で、そんな非常識な議員はいないが、デマがあるのは事実だ。これらにも気をつけてほしい。

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