判定に納得のいかない阪神・原口文仁が絶叫した。無理もないと感じた野球ファンは多かったのではないだろうか。
「ルール改正を検討するべきだと思います」の声
リーグ制覇したヤクルトと3位・阪神が神宮球場で対戦した2022年10月12日のCSファイナルステージ。波紋を呼んだ判定は初回にヤクルトが3点を先制した直後、2回の阪神の攻撃で起きた。無死二塁で原口が12球粘ってフルカウントに。小川泰弘の外角低めに落ちる13球目のフォークに反応しながらもバットが止まったが、一塁の山路塁審はスイングと判定。空振り三振となった。
原口は山路塁審に向けて叫び、怒りを露わに三塁ベンチへ。この1球がボールと判定されれば四球で出塁し、無死一、二塁と好機を広げていた。タラレバになるが、試合を左右した判定と言ってもおおげさではない。この回は無得点に終わり、阪神は1-7で敗れた。
ネット上では「あれは振っていない。おかしいよ」「ヤクルトベンチもハーフスイングに驚いていた...。審判も人間だからミスはあると思うけど、しっかり見てくれよ」など判定に疑問を呈するコメントが相次いだ。
NPBのルールでは本塁打、ファウルボール、各塁のアウト、セーフの判定でリプレー検証を求めることができるが、ハーフスイング、投球判定(ストライク、ボール)は適用外となっている。
スポーツ紙記者は、「投球判定は試合の流れなどもあるので導入する必要はないと感じますが、ハーフスイングはリプレー検証が適用できるようにルール改正を検討するべきだと思います。今回の原口のケースに限らず、明らかに振っていないのにスイングを取られたり、その逆もある。1つの判定が熱戦に水を差してしまうことになりかねない」と指摘する。
もし、今回の原口のハーフスイングでリプレー検証が導入されていたら、「振っていない」とストライクからボールに判定が覆る可能性が高かっただろう。現場の審判団はどう感じるだろうか。
(中町顕吾)