インターネット掲示板「2ちゃんねる」(現:5ちゃんねる)創設者の西村博之(ひろゆき)氏が、自身の動画生配信で沖縄出身者の「日本語」について言及した内容が波紋を広げている。実際にひろゆき氏は、動画の中で何を語っていたのか。
切り抜き動画をもとに発言内容が拡散される
ひろゆき氏と沖縄をめぐっては、ひろゆき氏が2022年10月3日にツイッターで米軍キャンプの移設が予定される名護市辺野古の写真を投稿し「座り込み抗議が誰も居なかったので、0日にした方がよくない?」と移設反対運動の動きについて言及した。これに5日、玉城デニー沖縄県知事が「ちょっと残念だ」とコメントするなど、物議を醸していた。
そして、10月10日頃からツイッター上で物議を醸しているのが、同氏が自身のYouTube動画生配信の中で発した、沖縄出身者の「日本語」について言及した内容だ。切り抜き動画をもとに、同氏の発言内容を繋げた画像が相次いでツイッターに投稿された。
切り抜き動画のテロップで「沖縄人のインタビューとかを見てると」「文法通り喋れないんですよね」「元々方言があったりするので」「綺麗な日本語にならない」「沖縄の人ってあんまりスムーズに」「標準語喋らないんですよ」と書かれた画像などが拡散し、波紋を広げた。意図的な発言の切り取りではないかという指摘があがる一方、12日には地元紙・沖縄タイムズが同氏の発言は「ヘイトスピーチ」だとする記事を掲載した。
ひろゆき氏がYouTubeで語った内容
ひろゆき氏は実際に何を語っていたのか。発言が出たのは、同氏が10月7日に生配信した動画「【ひろゆき】解決より共感を求める人たち。Camden Pale Aleを吞みながら。2022/10/07 V23」の26分30秒頃だった。
視聴者から寄せられた「実際に座り込みしていた人と話されましたか? ただのバイト? 本人の意志はどうなんでしょうか?」という質問に、同氏は次のように答えた。
「アベプラ(編注:ABEMAのニュース番組)でも流れましたけど、(活動について)一生懸命喋ってる人たちは本心なのかなと思います。ただ、本土の人なのか現地の人なのかって言うと、言葉遣い的には『あれ、微妙だな』っていう」
続けて、沖縄出身者の「日本語」について持論を展開する。
「沖縄の人のインタビューを見てると分かるんですけど、失礼に聞こえるかもしれないですけど、沖縄の人って文法どおり喋れないんですよね。元々方言があったりするので、『私は何々を何々します』みたいにならなくて、結構言いよどんだり、文法的に主語2個入ったりとか、綺麗な日本語にならない人の方が多いんですよね」
さらにこう続ける。
「方言を無理して標準語にしようとしてとか、言い間違いとか考えながら喋ることになったりするんだと思うんですけど、沖縄の人ってあまりスムーズに標準語をしゃべらないんですよ。もちろん喋る人もいるんですけどね」
同氏は辺野古での出来事を引き合いに出し、こう続ける。
「今回僕がゲート前で見ていた時に、トラックをカウントするおじさんがいたんですよ、僕らの後ろ。そのおじさんはトラックを調べたりナンバーを控えたりするから『そこちょっとどいてください』みたいなことを言われたんですけど、その人の喋り方は明らかに沖縄の地元の人なんですよ。だから、『ああこの人は地元だな』と分かるんですけど」
「僕も別に沖縄専門家ではないので...」
最後には、自身が沖縄の専門家ではないとしながら、こう締めた。
「そういう感じで、(活動を)頑張っている人たちのイントネーションとか言葉が、僕も別に沖縄専門家ではないので勘違いかもしれないんですけど、沖縄の人の喋り方と違うんじゃないかなと思いました」
その後、同氏は動画の32分頃で「沖縄生まれ育ちだと訛りがひどいので、どんなに標準語にしようとしても喋れません。自分では標準語のつもりでも」という声を取り上げ、「そうなんですよね、ゆっくりなんですよね。頭の中で変換して標準語を喋ろうとするんで」と伝えた。
同氏は発言内容をめぐり12日、ツイッターで「『沖縄出身の人は標準語がうまく喋れないです。辺野古の基地で活動してる人が地元の人か本土の人か判断するには、イントネーションや言葉の選び方でわかります。』と、沖縄県の人に教えて貰いました」と投稿している。