違法駐車を「晒し上げ」?京都の看板話題 人間の心理巧みに利用、効果は絶大

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「ナッジ」活用

   京都市では、タクシーの違法駐車が長年の課題だった。特に四条通で横行し、バス発着の妨害や渋滞につながっていた。運転手はもちろん、交差点内や横断歩道付近で乗車しようとする客にも原因の一端があった。

   タクシーが交差点で客待ちをしていると、客もそこで日常的に乗降してしまう。すると、ますますタクシーは交差点付近で客待ちをする――といった悪循環に陥っていた。

   市はタクシー団体を通じて運転手に啓発をしたり、横断幕を掲出したりとあの手この手で改善を図ったが、大きな効果は得られなかった。

   そこで、アイデア募集プラットフォーム「KYOTO CITY OPEN LABO」で民間から打開策を募り、NTTデータ経営研究所との実証実験で看板設置となった。「ナッジ」と呼ばれる行動経済学の知見を活用しており、望ましい行動を促すデザインになっている。

   2月の調査では、看板設置直前に比べて1日あたりの違法停車時間の合計が88%減少した。警察からは、タクシーに関する苦情が大幅に減ったとの報告もあった。市の歩くまち京都推進室は10月11日、J-CASTニュースの取材に「費用対効果はかなり大きかった」と答える。実験を始めてから8か月が経ったが、「感覚的には効果は持続しています」。

   具体的な計画はまだないものの、同じ課題を抱えたエリアへの横展開も検討するという。

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