巨人の原辰徳監督の続投が決まった。2021年オフに3年契約を結び、来季は2年目となる。今季は2年連続負け越しとなる68勝72敗3分けで4位に低迷し、CS出場も叶わなかった。原監督は球団監督史上最年長を更新する17年目の来季に、雪辱を期す。
育成と勝利をどう両立させるか
2022年の今季は3、4月が20勝11敗と開幕ダッシュに成功したが、5月以降は主将・坂本勇人の度重なる戦線離脱や救援陣の崩壊で失速。優勝争いから脱落し、借金を完済することもできなかった。新外国人・ウォーカー、ドラフト1位で守護神として大活躍した大勢、先発ローテーションで頭角を現した山崎伊織、パンチ力が魅力の増田陸と新戦力が台頭したのは収穫だが、主力選手たちの高齢化が進み、チームに停滞感が漂う。
スポーツ紙記者は、「チーム再建はいばらの道になる。少し前のようにFAや新外国人など即効性のある補強でチームがガラッと変わる時代ではない。坂本、丸佳浩、中田翔ら30代半ばの選手たちの後釜が育っていないことも気になります。原監督は質の高い選手を束ねて勝利へ導く能力には秀でていますが、育成手腕が高いわけではない。どう立て直すか注目されます」と語る。
チームは変革期を迎えている。坂本は遊撃からコンバートが囁かれるが、どのポジションに置くのか。増田陸、高卒2年目の中山礼都も試合で使わなければ成長しない。中山と同期入団の秋広優人もファームで109試合出場し、打率.275、9本塁打、38打点をマークしたが、今季1軍出場なしに終わった。
「増田、中山、秋広は将来の主力にならなければいけない。多少のミスにも目をつむって試合に使い続ける価値がある選手たちですが、今オフに大型補強を敢行するようだと、チャンスが今年以上に少なくなる。起用しないのはもったいないですが、勝利にこだわると実績重視の布陣になる。原監督も舵取りが難しいですね」(スポーツ紙デスク)
育成と勝利をどう両立させるか。来季に向けての戦いはすでに始まっている。
(中町顕吾)