「朝活」需要の高まりを受け、ハンバーグレストラン「びっくりドンキー」がモーニングメニューの展開を広げている。SNSでは、ハンバーグソースをかけて食べる「卵かけご飯」の口コミ投稿にも大きな注目が集まった。
モーニングは現在、一部店舗での提供だが、取材に対し運営会社アレフ(札幌市)は、今後全国への拡大を予定していると意気込む。
「何となくハンバーグを食べているような不思議な感覚」
ツイッターで2022年9月末、びっくりドンキーのモーニング限定メニューの卵かけご飯が話題になった。発端となったのは、次のような感想を伝えた投稿だ。
「つやつやもちもちのご飯に立派な卵がついてきて、そこにあの肉汁たっぷりのハンバーグソースをどばどば掛けて食べる......しかも味噌汁付きで330円... びっくりドンキーありがとう」
投稿は10月3日19時までに6000件を超えるリツイート、4万8000件を超える「いいね」が寄せられた。「美味しすぎてびっくりした」といった声のほか、「モーニングやってたの知らなかった」との反応もあった。
なぜ卵かけご飯に「ハンバーグソース」をかけたのか。また、卵かけご飯に合うものなのか。取材に対し、アレフの広報担当者は次のように述べる。
「醤油の代わりに提供するハンバーグソースは、ひき肉の旨みが感じられる和風のハンバーグソースです。まろやかな卵と相性抜群でいつもの卵かけご飯とは全く違う味わいをお楽しみいただけます。何となくハンバーグを食べているような不思議な感覚というお客様の声もあり、びっくりドンキーのモーニングメニューでしか食べられない、日本の朝ご飯の定番メニューの卵かけご飯だと思っています」
卵かけご飯は21年10月6日に登場した。SNSでの反響を受け、広報担当者は「ランチやディナーなど、メインの食事の時間帯以外でも、今回のようにモーニングの時間帯でもご来店しやすいお店であることを、多くの人に知っていただければ嬉しいです」と述べる。
「新しい利用シーンの一つ」としてモーニング導入
アレフによれば、モーニングは20 年 4 月から宮城県内の7店舗でスタートした。同年10月には岩手県、秋田県、山形県、福島県の 16 店舗に拡大。現在は全体の約65パーセントに当たる約220店舗で提供しており、22年9月の1か月間にも新たに15店舗以上で導入したという。
公式サイトには、リモートワークの導入によって家で過ごすことが増えた女性がモーニングで来店するストーリーが掲載されている。女性は気分転換のために訪れており、「広いテーブルに仕事道具を広げ、ゆっくりコーヒーを飲んでいたら、ちょっとおもしろいアイデアを思いついた」という。
広報担当者は、モーニング導入の狙いをこう述べる。
「びっくりドンキーは、ランチやディナーでの利用というイメージがありますが、出社する前や、お休みの日に家族で、読書しながら朝のひとときをゆっくり過ごしたいなど、新しい利用シーンの一つとしてご利用いただきたいと思っています」