現状のJアラートで、国民はどう行動すべきか
1~2分程度の猶予しかない場合、真田氏は「すでに政府が示している通りの行動をとるべき」だとしている。
内閣官房の公式サイトでは、屋外にいる場合は、近くの建物(できれば頑丈な建物)の中や地下への避難を促している。近くに建物がなければ、物陰に身を隠すか地面にふせて頭を守るよう呼びかけている。屋内にいる場合は、できるだけ窓から離れて、できれば窓のない部屋へ移動するよう促している。上記以外にも、いくつかの対応策が記されている。
今回のJアラートに対しても上がった「近くに頑丈な建物がないから、避難できない(どこに避難して良いかわからない)」という声について、真田氏は「自宅の窓がない場所、具体的にはトイレや浴室に避難する」との対応策を述べている。
政府や自治体による対応策の広報を「よりわかりやすく、具体的にする必要がある」と訴える真田氏は、「避難の重要性」を強調するべきだとする。広島の原爆投下で、中心から170メートルしか離れていない市民が地下にいたため助かったという例を引き合いに出し、ミサイル到達まで「1分しかなくても助かる可能性がある」と述べた。
武力攻撃事態などにおける住民の避難および救援などを行うための「緊急一時避難施設」に、共通マークを掲示し、この施設周辺に「避難施設まで○○メートル」といった標識を複数設置することも重要だと、真田氏は提言している。
今回のJアラートに真田氏は「単発のミサイル発射実験においてそこまでする必要があるのか」と疑問も呈している。
ではJアラートはどのような場合に発令されるべきなのか。真田氏は、自衛隊による破壊措置(ミサイル防衛)が行われる場合は「発令するべき」であり、行われない場合は「発令するべきではない」という見解を示し、このことで「Jアラート稼働にいつのまにか国民が慣れてしまう状況を避けられる」という。前述したように、自治体における実動訓練を行うなどの対策をし、「政府は平時から積極的な広報に努め、有事に発令されるJアラートに備えるべきだ」としている。