走れるビジネスシューズのしかけ
ウォーキング企画開発部の西川雅俊さん
西川さんによるとランウォークの大きな特徴は、一般的なビジネスシューズにはない「ミッドソール」があること。靴と地面の接地面「アウターソール」と足との接地面「インナーソール」(中敷)の間にある。
従来であれば、ミッドソールを入れると、その分ソールが重くなってしまう上に、厚みが増すことでビジネスシューズらしいシルエットが崩れてしまう。
しかしアシックスはこの部分に、独自開発したスポンジ「SPEVA(スピーバ)」を採用。ランニングシューズなどに用いられる素材で、クッション性と反発性に優れる。
「ランウォークシリーズはミッドソールにスポンジを用いていますが、品格を保つために外からはスポンジ面を極力見せないようにしています。例えばWR819Pのソールは10ミリほどの厚さがありますが、外観は8ミリに見えるようデザインしました。
この設計により、ビジネスシューズらしいデザイン性と機能性の両方を実現しています」
かかと部に内蔵された衝撃緩衝機能「GEL」、中敷のオーソライトも、スポーツシューズに採用している素材でやわらかな履き心地を支える。アウターソールのかかと部に用いられた「AHAR(エーハー)ラバー」は、アシックスが開発した耐摩耗性に優れた素材だ。ラバーのすり減りを抑え、製品寿命を長持ちさせるためビジネスシューズに応用された。
ミッドソールには優れたクッション性を発揮するスピーバを採用し、かかと部には、衝撃を和らげる素材「GEL」を搭載。外観を損なわずに足への負担を軽減した。
西川さんは、著しいスポーツシューズ技術の進化をビジネスシューズに取り入れられるのがアシックスの強みだと述べた。
しかし、どれほど高機能な靴であっても、自分の足の形に合わなければ快適な履き心地は実感できない。靴の中で足の位置がズレてしまうと、姿勢を崩したり、足への負担が大きくなることもある。靴への負担も大きいため長持ちしづらくなってしまう。
西川さんは「自身の足の正確な状態を知ることが重要」と述べる
西川さんは、気に入った靴を長く快適に履き続けるためにも、自身の足の正確な状態を知ることが重要だと述べる。