帰宅すると見知らぬ中年男の姿、「ちょっと誰ですか?」話しかけると包丁を手に... 被害者が緊迫の一部始終をツイート、顛末を聞く

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   自宅でくつろいでいると、「強盗」の男と鉢合わせし、男は、包丁やハサミを振り下ろして...。そんな体験談が、ツイッターで投稿されて反響を集めている。

   東京・上野の近辺で被害に遭ったといい、警視庁の蔵前署も、民家に入った男を逮捕した事実はあったと取材に認めた。現時点では強盗ではないが、動機などについて捜査していると明らかにした。

  • 警視庁の蔵前警察署
    警視庁の蔵前警察署
  • 男が持ち出した包丁やハサミ(写真は、猫うどん@akiba_nekoudonさん提供)
    男が持ち出した包丁やハサミ(写真は、猫うどん@akiba_nekoudonさん提供)
  • 男に襲われ、右手にケガを負った(写真は、猫うどん@akiba_nekoudonさん提供)
    男に襲われ、右手にケガを負った(写真は、猫うどん@akiba_nekoudonさん提供)
  • 警視庁の蔵前警察署
  • 男が持ち出した包丁やハサミ(写真は、猫うどん@akiba_nekoudonさん提供)
  • 男に襲われ、右手にケガを負った(写真は、猫うどん@akiba_nekoudonさん提供)

男は、埼玉県春日部市内から上野まで雨の中歩いてきたと明かす

   仕事から家に帰り、食事を済ませてパソコンの前に座っていると、ふとリビングに見知らぬ男が立っているのに気づいた。

   「強盗被害」をツイッターで報告したのは、東京・上野の近辺に住んでいるという「猫うどん(@akiba_nekoudon)」さんだ。

   猫うどんさんは、ツイッターで2022年10月6日未明にその状況を連続投稿した。それらによると、男に気づいて、「誰?」と声をかけたが、男は無言だった。

   「酔っ払ってる?」「お酒飲んでる?」。こう聞くと、男は「飲んでない」と言う。「ちょっと誰ですか?」と再度問いかけても、男は無言のまま台所に歩いて行った。

   男は、台所の流し台でその扉を開け、包丁を取り出す。そして、包丁を持って歩いてきたため、距離を取りながら下がると、いきなり包丁を振り下ろしてきたという。とっさに、包丁を持っている男の手首を両手でつかみ、男の腕をひねり上げる。そのまま男を組み倒して、包丁を取り上げ、取り返されないようにレコードの隙間に差し込んだ。

   ところが、男は、立ち上がって、今度はペン立てにあったハサミを手に取った。次の瞬間、ハサミを振り下ろしてきたため、両手でつかんで、体重をかけるなどして男を倒す。ハサミは取り上げ、同じようにレコードの隙間に隠した。そのまま取っ組み合いになり、男の首を押さえつけると、男は降参したように両手を上げて床に寝転がったという。

   男を落ち着かせるために、男の話を少し聞いてみた。すると、男は埼玉県春日部市内から上野まで雨の中歩いてきたと明かした。

「コンビニやデパートで働いたが、人間関係が嫌になって辞めた」

   「強盗」の男は、所持金がなく、「風呂に入りたい」とも漏らし、なぜこの家に入ってきたのか聞くと、男は、「カギが開いてたから」だと答えた。猫うどんさんは、たまたまカギを閉め忘れていた。

   男は、「煮るなり焼くなりしていい」と言い、抵抗はしなかった。110番通報をして警察とやり取りすると、男は、「カギが開いてたから入りました。家主を包丁とハサミで襲いました」と素直に電話で話したという。

   警察が着くまでの間も、男と雑談や世間話をして、男を落ち着かせるのに努めた。男は、コンビニやデパートで働いていたが、人間関係が嫌になって辞めてしまい、今は引きこもりのような状態だと明かした。男を暴れさせないため、パンや炭酸飲料水もあげた。

   警察が到着して、ようやく男を引き渡した。玄関先にあった男のナップサックには、ロープが入っていたため、急に怖くなったという。猫うどんさんは、男ともみ合ったときにできた右手の切り傷も写真投稿で見せた。その際に、家の中で壊れたものもあったとした。

   猫うどんさんは、上半身裸で無防備な状態だったが、男が長時間歩いて疲れ、空腹で力が出なかったため、命だけは助かったのではないかと振り返った。男は、「家主が力の弱い女性だったら押し切るつもりだった」とつぶやいていたという。

   こうした男とのやり取りについて、捜査歴が長い刑事も、「こんなの聞いたことがない」と漏らしたとしている。

   ツイッターで投稿した猫うどんさんは10月6日、J-CASTニュースの取材に応じ、一人暮らしをしていて、男が家に来たのは、同日午前0時ごろだったと明かした。

「同情する点もあるが、処罰は受けてもらった方がいい」

   猫うどんさんは、家の中で盗られたものはなかったとしたが、右手の親指と人差し指の間に約1センチの刺し傷ができたとした。

   男から包丁を奪う際に着いたといい、右肩後ろにも、閉じたハサミの先で突かれたような浅い刺し傷が2、3か所あるのに後から気づいたという。これから病院に行くため、全治どのぐらいかはまだ不明だとした。男は、蔵前署に現行犯で逮捕され、42歳だったとしている。

   男の取り押さえに成功した猫うどんさんは、武術は習っていないが、見るのは好きだという。

   自らを襲った男に対しては、こんな思いを吐露した。

「警察を待ってる間に身の上話などしていたので、同情する点もあり、相談できる相手や窓口のようなものがあれば、こうは追い詰められなかったのではと思います。話していた内容が事実かどうかは私には分かりませんが、包丁やハサミを振り回した以上は、そのまま帰すわけにはいかないですし、また他所で同じことをするかもしれないので、処罰は受けてもらった方がいいかと思っています」

蔵前署は10月6日、取材に対し、この日の0時前後に管内の民家に男が入って包丁などを振り回して逮捕された事実はあったと認めた。何かが盗まれたか確証が取れておらず、現時点では強盗として扱っていないという。事件を公表しておらず、男の動機などは捜査中なのでお答えできないとしている。

(J-CASTニュース編集部 野口博之)

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