プロ野球阪神のOBで野球解説者の掛布雅之氏(67)が2022年10月3日にユーチューブチャンネルを更新し、新体制となる阪神が来季どのような戦いをするかを予想した。
現在チームを指揮する矢野燿大監督(53)が春季キャンプ直前に今季限りでの退任を表明し、スポーツ紙などの新聞メディアは阪神OBで元監督の岡田彰布氏(64)が後任に内定したと報道した。
「佐藤と大山の固定をまず考えてスタートしていく」
掛布氏は冒頭で「岡田新監督は間違いないと思います」とし、岡田氏が来季チームを指揮することを前提として話を進めた。
現役時代、岡田氏とともにプレーし引退後も親交が続いている掛布氏は、今季の阪神の戦いぶりを岡田氏と語り合った際、岡田氏が「ポジションを固定したい」と話していたことを明かし、「佐藤(輝明)と大山(悠輔)の固定をまず考えてスタートしていくと思う」と語った。
掛布氏、岡田氏ともに選手として85年の日本一を経験。ランディ・バース氏(68)とクリーンナップを構成し「ニューダイナマイト打線」と称された。4月17日の巨人戦では3者連続本塁打を記録するなど本塁打を量産してチームの日本一に大きく貢献した。
掛布氏は85年の日本一は打線だけではなく守備の良さもあったと主張。「85年の野球は200発打線で打ち勝ったというイメージを持っている方が多いと思いますが、岡田新監督も私も真弓(明信)さんもこの間、話をしたのですが『85年は守れたよね』と意見が統一した。3人が同じ意見だった」と振り返った。
そして「土のグランドで守る野球が難しくなってきているだろうけども、それでも岡田新監督はまず守る野球から入っていくと思います。その守る野球の中心になってくるのがセンターライン。このセンターラインをどう決めていくのか」と続けた。
「岡田監督が一番すごかったのはJFKを作ったこと」
掛布氏はセンターラインの大きなポイントとして「二遊間」を挙げ、ダブルプレーを取れる二遊間をどのように作り上げていくかに注目した。センターラインは梅野隆太郎捕手(31)を中心としたものになるとし、「新しいセンターラインが出来るかもしれない」と予想した。
打線に関しては「佐藤にしても大山にしても4番を打ったが、チームを優勝させる4番の野球は2人ともできていない」と指摘し、「そうなった時にこの2人を4番にして戦っていくのか、ここ1、2年は外国人の力を借りるような本当に4番を任せることができる補強をして、佐藤と大山を4番に育てていくのか」と語った。
岡田氏は04年から08年まで5年間、阪神で監督を務め05年にはリーグ優勝を果たした。リーグ優勝に貢献したのが「JFK」と呼ばれたリリーフ陣だ。ジェフ・ウイリアムズ、藤川球児、久保田智之で構成され、それぞれの頭文字を取って「JFK」と名付けられた。
掛布氏は「岡田監督が一番すごかったのはJFKを作ったこと」と当時を振り返り、「7回、8回、9回を完璧な守る野球を確立して勝った監督。7回、8回、9回を守る野球を徹底して作っていくと思いますよ。それだけのリリーフ陣のメンバーがいる」との見解を示した。