朝日新聞、天声人語に初の女性筆者 「遅きに失した感はありますが、遅れていても一歩ずつ進むことは大事」

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   朝日新聞の看板コラム「天声人語」は2022年10月1日から、執筆陣に女性が加わる。100年以上の歴史で初となる。

   大役を担うのは、マニラ、ローマ、ジャカルタ、シドニーの各支局長と海外取材が長い郷富佐子論説委員(56)。最初のコラムでは「1人目の歩みは遅くても、次へつなぐために始めたい」と抱負をつづっている。

  • 朝日新聞ウェブサイトより
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「天声人語は『おじさん』が書くものだと思っていた」

   天声人語は朝日新聞の1面に毎日掲載されているコラムで、創刊して25年後の1904年から現在まで続く。

   時事問題への関心が高まる上、文章力向上にもつながるとして、書き写すための専用ノートはシリーズ累計500万冊を数える(21年7月時点)。

   22年10月1日から執筆陣が入れ替わり、郷富佐子氏、古谷浩一氏(56)、谷津憲郎氏(51)の論説委員3人が新たな担当となる。朝日新聞社のツイッターアカウントは「遅きに失した感はありますが、遅れていても一歩ずつ進むことは大事。というわけで、朝刊1面コラム『天声人語』の筆者に初めて女性が就きました」と紹介している。

   郷氏は同日に筆を執り、「天声人語は『おじさん』が書くものだと思っていた」と書き出すと、「ジェンダー平等を掲げる立場で『まず隗(かい)より始めよ』のご批判もあったと聞く」とこれまでの課題に触れた。

   ジャーナリズム史を研究する立命館大の根津朝彦教授は2020年9月の朝日新聞の連載で「朝日新聞でも女性の論説主幹、『天声人語』執筆者などはこれまでいなかったと思うので、将来そうした担当者が生まれることも期待したい」と提言していた。

   郷氏は、最年少の37歳で女性首相となったニュージーランドのジャシンダ・アーダーン氏の言葉を引用して「1人目の歩みは遅くても、次へつなぐために始めたい」と決意表明した。

   朝日新聞社は20年4月に「ジェンダー平等宣言」をし、女性登用などを進めると発表している。2年後の進捗報告では、女性比率は管理職14.2%(2.2ポイント増)、論説委員12.5%(1.4ポイント減)、オピニオン面「耕論」「交論」の論者36.5%(13.8ポイント増)、全社員20.1%(0.3ポイント増)だった。

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