プロ野球広島のOBで野球解説者の高橋慶彦氏(65)が2022年10月3日にユーチューブチャンネルを更新し、広島の今季の戦いぶりを振り返りながら次期監督候補に関して独自の見解を示した。
佐々岡政権3年連続Bクラス
佐々岡真司監督(55)は今季全日程が終了した2日の試合後のセレモニーでファンの前で退任を公表。19年オフの監督就任以降、20年シーズンは5位、21年シーズンは4位とBクラスが続き、今季は66勝74敗3分けのリーグ5位で全日程を終えた。
また、広島は2日に公式サイトで河田雄祐ヘッドコーチ兼外野守備走塁コーチ(54)が球団に辞任の意思を申し入れ了承したことを発表した。
佐々岡政権では3年連続Bクラスでチームとしては4年連続でAクラス入りを逃している。スタッフから今後の強化ポイントを問われた高橋氏は、「今年ずっと見ていたらバッティングセンター状態だよね。打つだけになってしまっている」と前置きし持論を展開した。
「盗塁数が26、27でしょ。少ないのはあるが、それより攻め方がバント、セーフティーバント、右打ち、スクイズもあるけど。エンドランとかをどう絡めていくか。戦術だね。キャンプから染み込ませてエンドランとかそういうのは徹底していかないといけないと思う」
そして「走塁とかそういう戦術面でうまく取れるコーチは入ってほしいと思う」と提言し、「昔のカープ、あの頃のカープを思いすぎちゃいけない。だからそういう面ではどうやってそういう野球をやっていくか。エンドランとか絡めて思い切った作戦を取れるということが問題なんだろうけど」と続けた。
「佐々岡監督がやった3年間を捨てたらいけない」
また、次期監督候補にも言及し自身の見解を示した。
「OBを挙げたら大野(豊)さん、達川(光男)さん、金本(知憲)、新井(貴浩)、黒田(博樹)、前田(智徳)。でも俺は緒方(孝市)か野村謙二郎にやってほしいと思う。この2人は走ってきた選手だから。そういう面ではこの2人だな。これから新井、金本というとまたゼロになってしまうので、立て直しが」
ヘッドコーチには広島時代の後輩で、広島で1軍内野守備・走塁コーチを務めた経験を持つ正田耕三氏(60)を推薦。「攻め方も知ってるし、出てくるのは正田しかおらん。物事をはっきり言う方だから」と説明した。
投手コーチには大野豊氏(67)と川口和久氏(63)の名を挙げた。高橋氏は両氏について「経験が豊富だからそういう面では伸びていく選手にアドバイスができる。どれだけ引き出しを持っているかがベンチにいるかで全く違うんで」と語った。
来季は新監督を招いて新たな船出となるが、高橋氏は「佐々岡監督がやった3年間を捨てたらいけない」とし、「残っているコーチがたくさんいるわけだから。新監督になっても3年間やってきた成功例も失敗例もある。何試合か勝てる試合をなぜ落としたかということを他のコーチも考えないといけない」と指摘した。
そして最後に「佐々岡監督3年間ご苦労様でした。河田雄祐コーチ2年間お疲れさまでした」と両者に労いの言葉をかけて締めくくった。