プロボクシングの元WBC世界バンタム級、スーパーバンタム級王者ルイス・ネリ(メキシコ、27)が2022年10月1日(日本時間2日)にメキシコ・ティファナで行われたスーパーバンタム級10回戦でダビッド・カルモナ(メキシコ、31)と対戦し3回TKO勝ちを収めた。
「遅かれ早かれ井上は自分の前に顔を見せなければならない」
初回から力強いボクシングで主導権を握ったネリは、2ラウンドにダウンを奪うと続く3ラウンドに2度のダウンを奪いTKO勝利。21年5月に行われたWBA、WBC世界スーパーバンタム級王座統一戦で敗れて無冠になって以降2連勝を飾った。
メキシコのボクシング専門メディア「IZQUIERDAZO」(WEB版)は、「『隠れるのをやめなければならない』ネリから井上尚弥へのメッセージ」とのタイトルで記事を公開し、試合後のネリのコメントを紹介した。
記事ではネリが井上に隠れるのをやめて試合のサインをするよう要望したとし、「遅かれ早かれ井上は(自分の前に)顔を見せなければならない。隠れるのを止めなければならない」と語ったという。
そして井上は現在バンタム級のIBF、WBA、WBC王者で、次戦の相手が誰になるかは不明だが、次戦で8度目の王座防衛をした後に122ポンド(55.34キロ=スーパーバンタム級リミット)まで上げるかもしれないと伝えた。
井上との対戦には王座獲得が必須
10月2日時点でネリはWBCのスーパーバンタム級1位にランクしており、WBC、WBO同級王者スティーブン・フルトン(米国、28)が標的となる。井上と対戦するにはスーパーバンタム級のベルトを獲得し、井上が階級を上げるまで王座を保持していることが絶対条件になりそうだ。
ネリはバンタム級時代に世界戦でドーピング疑惑や体重超過などの失態を犯すなどトラブルメーカーとして知られる。王者として臨んだ18年の世界戦では前日計量で体重を超過し王座をはく奪されながらも前王者・山中慎介(帝拳)を2回TKOで下し無敗をキープ。20年9月にスーパーバンタム級王座決定戦に勝利し世界2階級制覇に成功した。
ネリはバンタム級の王座はく奪以降も同級にとどまり王者に君臨する井上との対戦を要望し執拗なまでの挑発を繰り返してきたが、バンタム級での対戦は実現しなかった。