インターネット報道番組を制作・配信する「Choose Life Project(CLP)」が立憲民主党から資金提供を受けていた問題で、配信を休止していたCLPは2022年9月28日、10月から活動を再開すると発表した。
「辞任を取り下げ、過去の過ちを背負い...」
「公共のメディア」を標榜するCLPは、テレビの報道番組や映画、ドキュメンタリーを制作しているメンバーらが16年に始めたプロジェクト。緊急性の高いテーマに関する生討論番組や研究者による講義、裁判に関する記録などを配信していた。
問題が発覚したのは、番組出演者である小島慶子氏、津田大介氏、南彰氏、望月衣塑子氏、安田菜津紀氏の5人が22年1月、(1)公共メディアを標榜しつつも、実際には公党からの資金で番組制作を行っていた期間が存在する(2)その期間、公党との関係を秘匿し、一般視聴者から資金を募っていた――という2点を重大な問題だとし、CLPへの抗議文を発表したためだ。
CLPが7月28日に公表した調査報告書によれば、立憲民主党から提供された資金は、20年3~8月分の番組制作費に充てられた。またCLP代表・佐治洋氏は同年4~9月に合計約300万円、同代表・工藤剛史氏と他1人は同年6~9月に合計40万円をそれぞれ受け取っている。提供された資金総額は約1500万円になるという。
この問題を受け、配信を休止していたCLPは9月28日、「お詫びと活動再開における今後の対応について」と題した発表文を掲載。「『辞任や解散をすることで、本当に責任を果たしたことになるのか』と、自問自答する日々が続きました」としたが、「多くの応援や継続を望む声をいただき、最終的に活動再開の方針を固めました」と述べ、CLPの活動を再開すると発表した。
辞任の意向を伝えていた佐治氏は、「辞任を取り下げ、過去の過ちを背負い、活動を続けることで責任を果たしてまいりたい」としている。
意思決定の見直しや資金の透明性を保つための体制整備、役職員の意識の向上を図るための行動指針等の策定などを行うことで、再発防止に努めていくという。
CLPは30日19時30分から、動画配信にて「皆さまへのお詫びと上記内容を含め、活動再開における今後の取り組みなど」について、報告するとしている。