障害者になってから「お金の心配しかなかった」 手足3本失った僕、社会復帰まで2年間の金銭事情

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僕は人や環境に恵まれている

   両親に出してもらったお金の全額を返すことはできていません。親はお金の話をしなかったのですが、僕に金銭面の心配をさせないようにしたのかもしれません。でも自分で調べると、入院1日でどれくらい必要かということも何となく分かるし、他にもいろんなお金がかかった。以前この連載で話しましたが、僕は障害年金も受給できていません。そのことも含めてお金の負担をかけたことを考えると「本当に親不孝だな」と思います。

   僕としては親に同じ額のお金を返すというより、自分がこの体でこれ以上心配をかけず、自立して何でもできる姿を見せ続けたいと思っています。それが、育ててくれた20年間と手足3本を失って苦労をかけてしまったことへの恩返しだと思って、全力で生きています。

   僕は人や環境に恵まれています。家族や友達、会社や各種制度。お金の面で考えると、救いの手を差し伸べてくれる人たちや仕組みがあったおかげで、事故からの2年間を過ごすことができました。そして社会復帰のスタートラインに立つことができたし、今の僕があります。そのことを忘れてはいけないと思っています。

(構成:J-CASTニュース編集部 青木正典)

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