処理に悩んだフィルムケース、令和の今は「わざわざ買う物」に? 広がる活用法、フリマ大量出品も

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「フィルムケースに似ている」話題の製品も

   35mmフィルムの販売にともない、今もフィルムケースを製造している富士フイルムHD(東京都港区)の広報担当者は9月15日、フィルムを入れる以外の用途でケースが使われていることに「勉強になりました」と驚く。

   日本人のフィルムケース愛は、よく似た商品にも注がれている。模型メーカーのウェーブ(武蔵野市)は、プラモデル作りなどに使う塗料を小分けにして入れる「押すだけフタ 塗料ボトル」を21年4月に発売。その見た目がフィルムケースそっくりだったため、ツイッター上では「フィルムケースじゃないですか!」「フィルムケース君。。。生きてたのね」「わざわざ買う時代になったのですね」などと話題になった。

   ウェーブ開発部の担当者は9月5日までの取材に「塗料や小さな部品、余った粘土などを保管する容器を探していたところ、ふたを押すだけで密閉できるプラ容器を見つけ、テスト使用したところ大変便利だったため、商品化しました」と販売経緯を説明する。

   フィルムケースとの類似性については「昔のフィルムケースに似ているとは感じていましたが、製品には同じ形状でサイズも様々なものがあります。弊社ではフィルムケースより一回り大きいサイズのものも製品化していたため、そもそも『どっちが元なんだろう?』と思っていました」と話す。ツイッター上で注目を集めたことが影響したのか「発売直後は話題性もあり、売れ行きが大変に良かったです」。現在も堅調に販売しているという。

   また今年8月には、大手100円ショップでフィルムケースによく似た「プラスチックケース」が売られているとツイッター上で話題に。記者が8月下旬、都内の店舗を訪れたものの、商品はすでに廃盤となっていて買うことができなかった。

   令和の時代にあって、小物入れとして活躍しているフィルムケース。小さな容器の「器の大きさ」を、人々は再認識しはじめているのかもしれない。

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