サブスク時代の今「音楽ガイド」なぜ盛り上がる? 不要論あがるも...「情報爆発」の世で果たす役割

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「歴史の厚み」感じるボカロのソングガイドも

   ガイド本で取り上げられるのは「昔懐かしい音楽」だけに限らない。

   8月23日に発売された「ボカロソングガイド名曲100選」(星海社新書)は、「初音ミク」などの「ボーカロイド」を用いて作られた楽曲を紹介するガイド本。ボカロ人気の火付け役となった「みくみくにしてあげる♪」(ika、07年)や、15年の紅白歌合戦で小林幸子さんが歌唱したことで知られる「千本桜」(黒うさP、11年)などボカロ黎明期~初期の有名曲から、最近の人気曲まで、識者が選んだ名曲100曲がリストアップされている。

   編集を担当した音楽ジャーナリストの柴那典さんは9月7日、取材に「2007年に初音ミクが登場して15年が経ち、ボーカロイドというカルチャーが歴史の厚みを持つようになりました。今ボカロに触れている人の中には小学生や中学生など若い世代も多く、そういったローティーンのリスナーに『15年で100曲』というセレクトをすることで、『ボカロとはこういうカルチャーだった』という入り口を示せるんじゃないかと考えました」と話す。

   「Lemon」(18年)などがヒットした米津玄師(ハチ)さん、「夜に駆ける」(19年)などで知られるYOASOBIのコンポーザー・Ayaseさん、ボーカリスト・Adoさんのヒット曲「うっせぇわ」(21年)の作詞作曲を手がけたsyudouさんは、いずれも「ボカロP」出身。J-POPシーンでボカロ作品の地位を高めた「功労者」たちの楽曲も、同書で紹介されている。

「ボカロソングガイド名曲100選」(星海社新書)。2007年に始まったボーカロイドカルチャーの名曲たちを紹介している。
「ボカロソングガイド名曲100選」(星海社新書)。2007年に始まったボーカロイドカルチャーの名曲たちを紹介している。
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