出版相次ぐ「シティポップ本」
数あるジャンルの中でも近年、特に熱を帯びているのが「シティポップ」のガイド本だ。シティポップは主に1970年代~80年代に流行した、都会的な雰囲気を感じさせる音楽ジャンル。山下達郎さん、竹内まりやさん、故・大瀧詠一さん、松任谷由実さんらが代表的なアーティストとして知られ、2010年代後半から海外の音楽好きの間で再評価が進んだことで、最近は日本でも注目を集めている。
こうしたブームを受け、今年だけでも「Japanese City Pop 100, selected by Night Tempo」(2月、303 BOOKS)、「『シティポップの基本』がこの100枚でわかる!」(2月、星海社新書)「シティ・ポップに愛をこめて 名曲・名盤ルーツ探訪の旅」(6月、シンコーミュージック)といったシティポップのガイド本が出版されている。
シンコーミュージックの書籍編集を担当する播磨秀史さんは8月31日、J-CASTニュースの取材に「単純にシティ・ポップが流行っているからそこに乗ろうということではなく、一つの音楽ジャンルとして『シティ・ポップ』の重要性を早くから認識しており、大切にしてコツコツ本の刊行を続けてきました」と話す。
同社は02年に、ディスクガイド「ディスク・コレクション ジャパニーズ・シティ・ポップ」(20年に増補改訂版が発売)を刊行。その後も、読み物集「クロニクル・シリーズ ジャパニーズ・シティ・ポップ」(06年)、13年に亡くなった大瀧さんの音楽的ルーツに迫る「ナイアガラに愛をこめて 大瀧詠一ルーツ探訪の旅」(14年)など、シティポップブームが訪れる前から、関連本を世に送り出してきた。
近年のシティポップガイドについて、播磨さんは「いずれも再版したり増補改訂版を出したりしており、それなりの結果を残せているかと思います。リアルタイム世代から若者まで、幅広い世代に受け入れていただいているように感じます」と話す。