「自分の見え方を再現するような作り方」
制作者のVoxelKeiさんは21日、J-CASTニュースの取材に対し、自身は強度の近視と乱視、最近では老眼も進んでいる身だと明かした。
その3点については先の空間を制作するにあたり、「自分の見え方を再現するような作り方になっています」。空間内の近視と老眼の視力設定はヘッドマウントディスプレイの性能などによるため明記していないが、実寸だという視力検査表を参照するよう伝える。
一方、色覚特性は制作物の精度を確認するのに苦労した。ツイッター上で色覚特性を持つユーザーに意見を聞きながら制作を進めたという。当事者から見て、色覚特性の項目を調整しても色の変化が起きないようにした。
VoxelKeiさんいわく、こだわったのは肉眼の模擬。陰影を処理する「シェーダー」の技術を使って視覚効果を自作した。そもそも、VR空間における視覚表現の技術を探究するなかで得られた発見が制作のきっかけとなったともいう。
発見に加えて、自分より視力の良い相手に口頭で感覚を共有する難しさを感じたという幼少期の記憶が組み合わさり完成にいたる。「『誰もがその場所にいた記憶がある』状況でこの体験をしてみて欲しいと思った」ため、教室を舞台に設定したという。