首都圏の高速バスの拠点のひとつ、東京駅八重洲口に2022年9月17日、「バスターミナル東京八重洲」が開業した。これまでは、八重洲口南口乗り場だけでは高速バスが入りきれず、外堀通りや八重洲通りにバス停が10か所以上点在。歩行者や自動車にとって邪魔になる上に、バス利用者にとっても分かりにくい状況が続いてきた。これらが集約されて便利になる。
バスターミナルは、入居する「東京ミッドタウン八重洲」と合わせて3段階にわたって開業する予定で、今回が第1弾。現時点では6つのバース(乗り場)を備え、完全開業時には20に増える。バスタ新宿の15を上回る規模で、「日本最大級」をうたっている。
東京駅周辺の1200便中550便を集約
東京駅周辺には1日あたり約1200便の高速バスが発着しており、そのうち約550便が今回のオープンで新ターミナルに移る。それ以外に約50便が新たに乗り入れ、約600便が発着する。今回開業する「第1期エリア」周辺のバス停はすべて撤去される予定だ。
約600便のうち6割以上にあたる約380便が、木更津や君津、銚子などを結ぶ千葉便だ。関西(約80便)、東海(約50便)、東北(約30便)、千葉以外の関東(約20便)、北陸・甲信越(同)、中国・四国・九州(同)が続く。
バスターミナルは、東京駅の八重洲南口と接続する八重洲地下街と直結。雨にぬれたり、炎天下で待ったりせずにバスに乗れるようになる。自動販売機やコンビニ、マッサージ店を備えるほか、隣接するエリアには飲食店など13店舗がオープンした。
バスターミナルはUR都市機構が所有し、京王電鉄バスが運営する。京王バスの宮坂周治社長は9月15日に行われた記者会見で、
「日本の首都・東京、その玄関口である東京駅。そこに直結するバスターミナルとして、国内のお客様はもとより、海外のインバウンドのお客様にも、分かりやすく利用しやすい、安全で快適なバスターミナルを目指していきたい」
と話した。
オフィスフロアは顔認証で「タッチレス」
今回開業したのは「東京ミッドタウン八重洲」の「第1期」。「第2期」は25年度、完全開業にあたる「第3期」は28年度の完成を予定している。第1期では「八重洲セントラルタワー」(地上45階、地下4階建て)と「八重洲セントラルスクエア」(地上7階、地下2階建て)が開業し、バスターミナルは地下1~2階に入居している。バスターミナルに合わせて開業した前出の13店舗は「先行開業」の位置づけだ。23年3月の正式開業時に、さらに1~3階の44店舗がオープンする。
7~38階はオフィスフロアだ。ロビーやドアに顔認証を実現し、接触なしでオフィスに行ける仕組みを実現した。40~45階には「ブルガリ ホテル 東京」が入居し、23年4月に開業する。1~4階には、今回の再開発で取り壊された中央区立城東小学校の新校舎が入居。2階に体育館、3階に屋内プール、4階に開閉式の屋根がついた校庭を設けている。
(J-CASTニュース編集部 工藤博司)