「握手会の女王」として知名度を上げたSKE48の須田亜香里さん(30)が、2022年11月に約3年ぶりに握手会を開くことになった。9月10日に配信された動画番組で須田さんが明らかにした。
SKE48では20年に入ってから握手会の延期や中止が続き、その後再開された交流イベントも飛沫(ひまつ)防止シート越しに会話する形式が続いてきた。須田さんは過去のJ-CASTニュースのインタビューで、卒業の際は「できたら、欲を言えば握手会もしたいです」と明かしていた。今回の動画番組でも、「卒業前に『やり残しちゃったなー、寂しいなーと思っていたこと』のひとつ」として握手会に言及。ファンはビニール製手袋をつけるなど、新たな感染対策を講じて「リアル握手会」復活にこぎ着けた。
「本当に握手会があったから、私のキャラクターが世の人に知ってもらえた」
SKE48が最後に握手会を開いたのは19年12月。コロナ禍が本格化した20年2月からイベントの中止や延期が続き、7月に「メンバーから一定の距離を(4m前後を想定)おいた場所に、お客様専用のタブレットを設置」した状態で会話する「現地でオンライントーク会」の形でファンとの交流イベントを再開。同10月には「2.5m 程度の距離を空け飛沫防止シートが設置された状態」で、直接会話できる「現地でトーク会」にバージョンアップされた。
須田さんは21年8月のJ-CASTニュースのインタビューで、卒業の時期について「いろいろなことが円滑になってから」と言及する一方で、次のように述べ、卒業の際には握手会の実現を目指す考えを明かしていた。
「アイドルの私とファンの方とのお別れの仕方は、すごく大事にしたいです。卒業メンバーの最後の握手会は、いつも横から見ていてすごく感動的だったので、できたら、欲を言えば握手会もしたいです」
須田さんは今回の番組で「本当に握手会があったから、私のキャラクターが世の人に知ってもらえた、ということもあった」として、握手会は劇場公演に並ぶ「原点」だと強調。卒業を前に「『握手会、もう1回やりたかったなー』という思い」を抱く中で、
「まだまだ世の中は不安な時期が続いてますけど、これを機に『ちょっとだけやってみようか』と、スタッフさんも親身になって思いを形にしてくださることになりました」
と実現の経緯を語った。
ファン役のスタッフ「すごい伝わってくる。なんか感動しちゃった」
須田さんの握手会は「現地でトーク会」同様、飛沫防止シート越しに行われる。須田さんは素手、ファンはビニール製手袋をつけて握手し、直後に手袋は回収される。叫んだり大声を出したりしなければ会話もできる。検温や手指消毒が行われるほか、ファンは不織布マスクの着用も求められる。
番組では握手のデモンストレーションも披露。須田さんは
「ビニール手袋越しだけど、ひとりひとり手の柔らかさだったり、厚みだったり温度だったり...違うというのが分かるし、これだけコロナ禍で人との距離感が離れてたけど、ビニールがあることで、私も安心して握手をさせてもらうことができました。こんな感じなんだ!」
と話し、ファン役を演じたスタッフも、
「(ビニール越しでも手の感覚が)すごい伝わってくる。なんか感動しちゃった」
と感慨深げだった。
須田さんは握手会と握手なしの「現地でトーク会」の両方を行う予定で、「心にしこりが残らない方を皆さんに選んでいただけたら」と話す。現時点で握手会を予定しているのは須田さんのみ。今回の取り組みが、メンバーの卒業とは関係なくSKE48に「握手会」が復活するかどうかの試金石になる。
これまでSKE48は「現地」でのイベントを行う一方で、AKB48は「オンラインお話し会」を継続。HKT48をはじめとする他の姉妹グループは、オンラインと現地開催の両方を続けている。どのグループも「リアル握手会」は行ってこなかった。須田さんの取り組みが、他グループのイベントのあり方に波及するかも焦点だ。
番組では、須田さんの卒業時期が9月末から11月1日に延期されたことも発表された。
(J-CASTニュース編集部 工藤博司)