エリザベス女王、10代で経験した「第2次大戦」 96年の生涯をたどる

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陸軍の婦人部隊も経験

   女王は生まれた時から「将来の君主」と決まっていたわけではなかった。当時の君主はジョージ5世(在位1910~36)。その後を継いだ長男のエドワード8世は、離婚歴のあるアメリカ人女性ウォリス・シンプソンとの「王冠を賭けた恋」で王位よりも恋を選んで1年足らずで退位した。その結果、弟がジョージ6世として後継即位。その長女だったエリザベスがさらに後を継ぐことになった。

   父が即位したころ、欧州ではナチスドイツが勢力を増していた。39年には英仏とドイツの戦争が始まる。英国皇室に詳しい君塚直隆・関東学院大教授の著書『エリザベス女王』(中公新書)によると、まだ14歳の少女だったエリザベスは、早くも40年、ラジオの「子どもの時間」という番組に出演し、「私たちは勇敢な海陸空の兵士たちを助け、戦争という危険で悲しい出来事を耐え忍ばなければなりません」と訴え、大きな反響を呼んだ。

   15歳を過ぎると、近衛歩兵第一連隊に入隊。18歳で「国事行為臨時代行」の一人に任命されている。45年2月には、イギリス陸軍が組織する婦人部隊に入り、軍用トラックで物資を輸送する任務に就く。大型自動車の整備や修理なども習得した。

   10代半ばから後半にかけて、「対ドイツ」との戦争に深く組み込まれ、戦時下で「将来の君主」としての気概を形成したと見られている。

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