ある加入店「金儲けの声は出そうだが、平等に予約枠を開放できる」
食オクに載った9店の中には、すでに食べログで案内しているケースもあった。新規の電話予約は受け付けておらず、食オク限定の予約だとしている店もいくつかあった。
9店のうちのある店は9月8日、取材に対し、食オクに加わった理由を次のように説明した。
「1つは、落札金額の一部が日本の食文化を守るために寄付されると説明を受けたことです。食材が今後使えなくなってしまう恐れがあり、次の世代にバトンタッチするのに必要だと感じました。もう1つは、予約を取れない店が増えていて、新婚旅行や記念日などでお金がかかってもお店に行きたいという人もいることです」
転売行為ではないかとの声が上がっていることについては、こう話した。
「確かに、飲食店が金儲けに出たという意見もあるとは思います。しかし、普通ですと、つてや紹介がなければ、絶対に予約は取れません。そのためにも、公平な見える形で平等に予約枠を開放するのはいいことなのではないかと思いました。そもそも、予約枠については、オークションに出せても、月に1、2席しかありません」
ネット上の転売批判について、食オクの広報担当者は8日、取材にメールでこう答えた。
「少し誤解をされてしまっている点は残念なのですが、お店から予約権を買って転売行為をしているのではなく、お店から予約の権利をご提供していただいております。今回の掲載を頂いているお店は、そもそも超予約困難店なもので、ユーザーからは『今まで諦めていたお店に行く可能性ができた』など、間口が広がり嬉しいとの声も頂いております」
オークションについては、9月中の開催を目指して準備していると明かした。すでに1000件を超えるユーザー登録があったといい、「新しい面白いシステムで楽しみにしております」「食文化を支える大事な取り組み」といった反響が寄せられているという。また、数店のオーナーから食オクに加わりたいとの話があり、掲載店舗を順次増やしていく予定だとしている。
(J-CASTニュース編集部 野口博之)