手足3本失った体でダイビング 「下手すれば命を落としかねない」...それでも僕が挑戦した理由

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避けてきたことにもチャレンジしよう

ダイビングする山田千紘さん
ダイビングする山田千紘さん

   僕は手足を3本失って今年で10年が経ちます。今まで色々とチャレンジしてきたけど、避けてきたこともありました。それが、水に入ることです。

   事故の後にリハビリで入院していた病院に、プールがありました。スタッフに付き添ってもらいながらそのプールに入った時、力んでいたのか、浮くことができませんでした。クロールをしようとしても足がないからバタ足できない。平泳ぎも左手しかないから、左右のバランスが悪い。息継ぎもできないくらい沈んでしまって、全然泳げませんでした。足が底につかないこともあり、それ以来、水や海に対する恐怖心を持ってしまいました。

   この節目の年に、避けてきたことにもチャレンジしようと思って、やろうと決めたのがダイビングでした。最初はこの体で本当にできるかどうか分かりませんでした。海に潜るので、下手をすれば命を落としかねない。不安な中で調べていったら、障害者をサポートしてくれるダイビングショップがあることを知りました。インターネットで検索すると、多くはないけど結構出てきます。

   「なぜわざわざ海に潜るんですか?」と聞かれたことがあります。僕に何ができるかを知ってもらうことで救われる人がいると思うから、というのが大きな理由です。

   ケガした時に「自分はもう何もできない」と思っていました。確かにできないことはあるけど、いざやってみたらできることもたくさんありました。最初はこの体になってマイナスなことばかりと思っていたけど、自分がやっていることをYouTubeやSNSなどで発信することで、プラスに思ってくれる人たちがいました。挑戦する姿を見てもらうことで、誰か1人にでも役立ててもらえたり、勇気や希望に繋がったりする。そう実感できるから僕はチャレンジを続けています。

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