「小田急百貨店新宿店は、閉店しません。」 誤解を怒ってる...?話題の移転ポスター、本当の意図は

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   「小田急百貨店新宿店は、閉店しません。」――再開発のため2022年10月2日に「本館」の営業を終了し、近接するビルに移転する小田急百貨店新宿店(東京都新宿区)は、5月からこんな文言のポスターを掲げている。

   新宿のランドマーク的存在だった本館の営業終了は、発表当時大きな話題となり、ツイッターでは「小田急百貨店が新宿からなくなる」などの声も聞かれた。ポスターの文言はデパートが「閉店する」と誤解されたことを怒っているのではないか、と指摘する声もあるが、実際どうなのか。小田急百貨店の担当者に話を聞いた。

  • 「小田急百貨店新宿店は、閉店しません。」移転セールの告知ポスターが話題(小田急百貨店提供)
    「小田急百貨店新宿店は、閉店しません。」移転セールの告知ポスターが話題(小田急百貨店提供)
  • 本館の建て替え後にできる地上48階建てのビル(小田急電鉄のニュースリリースより)
    本館の建て替え後にできる地上48階建てのビル(小田急電鉄のニュースリリースより)
  • 現在の本館(右)と移転先の「新宿西口ハルク」(左)(小田急百貨店のニュースリリースより)
    現在の本館(右)と移転先の「新宿西口ハルク」(左)(小田急百貨店のニュースリリースより)
  • 「小田急百貨店新宿店は、閉店しません。」移転セールの告知ポスターが話題(小田急百貨店提供)
  • 本館の建て替え後にできる地上48階建てのビル(小田急電鉄のニュースリリースより)
  • 現在の本館(右)と移転先の「新宿西口ハルク」(左)(小田急百貨店のニュースリリースより)

「決して、怒ってはいないんですよ」

   小田急百貨店新宿店は1962年に現在の商業施設「新宿西口ハルク」が入居するビルに開業。67年には小田急線新宿駅に直結する「本館」に移転した。名建築家として知られる坂倉準三氏が手がけた本館は、南北に連なる壁のような外観が特徴で、新宿のランドマークとして長年親しまれてきた。

   ただ、築50年を超える本館では再開発計画が進められ、2029年度に地上48階建て、高さ約260メートルの複合商業施設に建て替えられる予定だ。これにともない21年7月に本館の営業終了が発表され、22年5月には最終営業日が10月2日に決定。本館での営業終了後は、開業の地「新宿西口ハルク」に出戻りする形で営業を継続する。

   そうした中、小田急百貨店は5月25日から移転セールの告知を開始。その際、新宿駅周辺や小田急線の車内などで掲出されているのが、女性店員のイラストとともに「小田急百貨店新宿店は、閉店しません。」の文言が大きく書かれたポスターだ。小田急百貨店の広報担当者は8月31日、J-CASTニュースの取材にポスターの制作背景をこう説明する。

「(本館の営業終了発表時に)SNSなどで『小田急百貨店が閉店!?』『新宿西口の風景が変わるのが名残惜しい』といった反応をいただいたこともあり、『閉店』ではなく『本館の営業終了』であり、営業は継続すること、そして開業の地であるハルクであらたな門出を迎えるあたらしい新宿店、あたらしく生まれ変わる新宿駅西口にぜひ期待していただきたいという気持ちも込めました。また、一目でご覧になった方の関心をひき、印象に残るよう、『閉店しません。』のコピーにしました」

   ツイッター上では、本館の営業終了が「閉店」と誤解されたことを怒っているのではないか、と指摘する声もあったが、「決して、怒ってはいないんですよ」と担当者は笑う。なお、本館に掲出されたポスターの中には、一枚だけ店員のブラウスの色が違うという仕掛けがあるといい、担当者は「ぜひ見つけてみてください」とした。

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