BNK48、新曲MV北九州市で撮影 連携協定で副市長「箱推し」宣言...タイ人観光客の呼び水になるか

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   タイ・バンコクを拠点に活動するAKB48の姉妹グループ、BNK48の最新曲「ビリーバーズ(Believers)」のミュージックビデオ(MV)が2022年8月28日に公開された。作詞はAKB48の岡田奈々さん、振付は(24)村山彩希(ゆいり)さん(25)が担当。これに加えて異色なのが、大半が北九州市内で撮影されたことだ。

   北九州市では、「北九州フィルム・コミッション(FC)」が映画やドラマの撮影誘致・支援に取り組んでおり、1989年の活動開始から誘致した国内外の作品は延べ500本以上。北九州市はBNK48の運営会社と連携協定を結び、次期作品を日本で撮影する際には「北九州市を主要なロケ地候補とする」ことで合意した。コロナ禍で途絶えていた福岡-バンコクの直行便は22年7月に復活したばかりで、海外からの個人観光客が解禁されれば、MVがタイ人観光客の呼び水になりそうだ。西田幸生副市長はBNK48について、特定のメンバーではなくグループ全体を応援する「箱推し」を宣言していた。

  • BNK48の新曲MVは大半が北九州市で撮影された。8月28日には、北九州市とBNK48の運営会社の間で連携協定が結ばれた
    BNK48の新曲MVは大半が北九州市で撮影された。8月28日には、北九州市とBNK48の運営会社の間で連携協定が結ばれた
  • BNK48の新曲MVは大半が北九州市で撮影された。8月28日には、北九州市とBNK48の運営会社の間で連携協定が結ばれた

小倉城、皿倉山、旦過市場...

   BNK48は、AKB48の「恋するフォーチュンクッキー」(13年発売)を17年にカバーして発売したことが話題になった。日本と同様に踊りをマネしてユーチューブに公開する人が続出し、BNK版「恋チュン」のMVは、17年11月公開から半年で再生回数が1億2000万回を突破。18年5月にはワチラロンコン国王の姉、ウボンラット王女が若者向けのライブで「恋チュン」ダンスを披露し、ファン以外にも知名度が上がるきっかけになった。

   すでにタイの映画業界では、北九州市はロケの協力が得られやすい都市として知られて、タイの人気ドラマ「きもの秘伝」(15年)や人気映画「ブラザー・オブ・ザ・イヤー」(18年)も北九州市で撮影が行われた。今回のMV撮影も北九州FCが誘致し、19年には撮影の方針が決まっていたが、コロナ禍で延期になっていた。水際対策が緩和されたことで7月に撮影が実現した。

   「ビリーバーズ」は、日本では18年を最後に行われなくなった「選抜総選挙」の順位を反映した楽曲で、MVは小倉城、皿倉山、JR小倉駅前などで撮影。メインのダンスシーンは、若戸大橋の下でパフォーマンスを披露した。8月に2度目の大規模火災に見舞われた旦過(たんが)市場で、おでんを頬張るシーンも収められている。

「BNK48作品を日本で撮影する際、北九州市を主要なロケ地候補とする」

   北九州市とBNK48の運営会社が結んだ協定は(1)BNK48作品を日本で撮影する際、北九州市を主要なロケ地候補とする(2)北九州FCは、撮影の事前準備および撮影について全面支援を行う(3)BNK48作品を活用し、タイ王国内における北九州市のPRを協働で行う、の3点が柱。8月28日の新曲お披露目と合わせて、現地で締結式も行われた。

   現地メディアが公開した動画によると、西田副市長は

「風光明媚、非常に景色がきれいなところで、昔の建物もあるし、新しい建物もある。食事も非常においしいということで、私どもとしては、どんなリクエストにも応えられる都市だと思っている」

などと撮影地としての魅力をアピール。「恋チュン」の「おにぎり」の振り付けを交えながら、

「これを機に、今回のBNKのMVが、北九州市の最も代表的な作品になると確信している」
「BNK48の『箱推し』を北九州市として、全体で、全力でやらせていただきたい」

と話した。

   福岡県観光連盟のまとめによると、「コロナ前」の19年に福岡県を訪れたタイ国籍の人は5万8584人。韓国、台湾、香港、中国に次いで多かった。22年7月には、タイのLCC「タイ・ベトジェットエア」が福岡-バンコク(スワンナプーム)線を開設。コロナ禍が本格化した20年3月にタイ国際航空が運休して以来、2年4か月ぶりの復活だ。

(J-CASTニュース編集部 工藤博司)

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