香川照之の性加害告発ホステスは「自業自得」 ひろゆき主張を識者が猛批判「典型的な二次被害」

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   俳優の香川照之さんが東京・銀座のクラブでホステスに対して性加害に及んでいたと2022年8月25日発売の「週刊新潮」が報じたことについて、インターネット掲示板「2ちゃんねる(現在の5ちゃんねる)」開設者のひろゆきこと西村博之さんが被害者の自己責任論を訴えている。

   この主張をめぐって、元ロイター通信記者で国際人権NGOヒューマン・ライツ・ウォッチの笠井哲平氏がツイッターで反論。ひろゆきさんもこれに反応し、ツイッター上で応酬が繰り広げられた。

  • 香川照之さん(写真:松尾/アフロスポーツ)
    香川照之さん(写真:松尾/アフロスポーツ)
  • 香川照之さん(写真:松尾/アフロスポーツ)

「『自業自得』な人権侵害なんて無い」

   週刊新潮は香川さんについて、19年7月の出来事として同店の個室で香川さんがホステスの胸部を触る、キスをするなどの性加害に及び、被害女性がPTSD(心的外傷後ストレス障害)を患っていたことが判明したと報道した。

   香川さんは22年8月26日、毎週金曜日に司会を務める朝の情報番組「THE TIME,」(TBS系)の生放送で謝罪し「私自身、自らの行動をしっかりと深く反省し、自戒の念をきっちりと持って、改めてまた日々を務めていきたいと思っています」と反省の念を語っていた。

   ひろゆきさんは27日、一連の騒動を受け自身のYouTubeチャンネルで持論を展開した。「キャバクラってそういうところでしょ?」「だってある程度性的なものを売ってて、それで金もらってるんでしょう? 辞めたら?」などとホステス側の自己責任について触れる趣旨の発言をしていた。

   ひろゆきさんはツイッターでも同様の主張をし、以下のように投稿した。

「キャバクラなど風俗は、性的被害や嫌な思いをする事で高い給料が貰える仕事です。セクハラが嫌なら風俗で働くべきではないです。『他の仕事が出来ないので選択肢が無い』という人は生活保護をどうぞ。『キャバクラで働いても性的な被害を受けない』というのは嘘です」

   先述の笠井氏は29日、この投稿を引用し、「性暴力の加害者に対して『やめろ』と啓蒙するのではなく、被害者の職業選択に責任を回収してるところが典型的な二次被害。性暴力は犯罪であり人権侵害ですよ。職業によりリスクが高まるのは事実ですが、『自業自得』な人権侵害なんて無い」と猛反論した。

   ひろゆきさんもこれに反応し、「貴方のようなキャバクラや風俗に、性被害が無いと嘘を付く人がいると誤解をして性産業に入る人が出ます。一般飲食店は客が店員に触ったら通報します。風俗業界は我慢して客をいなすのが良しとされる所です。現実を無視して理想を語るのは被害者を増やす事になります。頭が悪いとわからないかな?」と反論した。

「襲われても守ってもらえない場所で被害に遭うのは自業自得」

   笠井氏は「『貴方のようなキャバクラや風俗に、性被害が無いと嘘を付く』そんなこと一切言っていないですよ。むしろ『職業によってリスクが高まる』と踏まえた上で、被害者の職業選択に責任回収をするのは二次被害であると指摘したのです。頭が悪いとわからないかな?」と、ひろゆきさんが使った言葉を用いて皮肉った。

   ひろゆきさんはキャバクラ店で起こった過去の事件について触れ、「被害があっても周りは守ってくれない場所です。自分の身が守れない人は風俗に行くべきでは無い。ここまで書けばわかるかな?」と説明を続けた。

   笠井氏は「『被害があっても周りは守ってくれない場所です。』うん、であなたのように加害者の責任追及は放棄しつつ、被害者の職業選択に責任回収して自業自得論を展開する行為が二次被害だと言ってるんですよ。ここまで書けばわかるかな?」と反論している。

   これに対し、ひろゆきさんは「襲われても守ってもらえない場所で被害に遭うのは自業自得」などと重ねて主張している。8月30日11時時点で、この投稿に対する笠井氏からの返答はない。

   なお、ひろゆきさんの主張について、作家でタレントの乙武洋匡氏は29日のツイートで、「ひろゆきさんは決して『キャバ嬢には何をしてもいい』と言っているわけではなく、『現実にそういうヤバい客がいる以上、お金のために仕方なくやっている人がいるなら生活保護がありますよ』と、いつもの主張を繰り返しているだけだと解釈した。違ったらごめん」とまとめた。

   ひろゆきさんは乙武さんのツイートを引用し、「乙武さんの書いた通りなんですけど、読解力の少ない人が多い昨今です」とつづっている。

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