維新代表選、75%が「関心なし」の現実 それでも馬場新代表が「悲観しない」理由

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   日本維新の会の結党以来初めてとなる代表選が2022年8月27日に大阪市内で開票され、松井一郎代表(大阪市長)から事実上の後継指名を受けた馬場伸幸共同代表(57)が新代表に選出された。

   馬場氏が掲げるのは「松井体制の継承」と「新たな飛躍」。馬場氏いわく、松井氏は「4番ピッチャー、4番サード」といった「花形選手」だ。それに対して、馬場氏は自らを何度も「8番キャッチャー」と表現し、「馬場カラー」が何かを問われると「まあ、『8番キャッチャーです』としか言いようがない、というのが現実」だと答えた。世論調査では代表選について75%が「関心がない」と回答し、注目度は必ずしも高くない。そんな中でいかに求心力を高めていくかが問われそうだ。

  • 日本維新の会の新代表に選ばれた馬場伸幸氏。松井一郎前代表(右)から事実上の後継指名を受け、代表選に圧勝した
    日本維新の会の新代表に選ばれた馬場伸幸氏。松井一郎前代表(右)から事実上の後継指名を受け、代表選に圧勝した
  • 記者会見する日本維新の会の新旧代表
    記者会見する日本維新の会の新旧代表
  • 開票作業は1時間半かけて行われた
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  • 日本維新の会の新代表に選ばれた馬場伸幸氏。松井一郎前代表(右)から事実上の後継指名を受け、代表選に圧勝した
  • 記者会見する日本維新の会の新旧代表
  • 開票作業は1時間半かけて行われた

「次の国政選挙で名実ともに野党第1党を目指して頑張っていく」

   7月の参院選では、維新は改選6議席から12議席へと倍増し、比例代表の獲得議席数は立憲民主党を上回った。馬場氏は開票前に、

「次の国政選挙で名実ともに野党第1党を目指して頑張っていく、将来的には自民党と喧々諤々議論ができる。そういう2大政党を目指して、このレールを伸ばしていきたい」

とあいさつした。

   馬場氏以外に足立康史国会議員団政調会長(56)、梅村みずほ参院議員(43)が立候補し、得票数は馬場氏8527票、足立氏1158票、梅村氏1140票だった。

   馬場氏は代表選出後、共同代表に吉村洋文副代表(大阪府知事)を指名したほか、藤田文武幹事長ら党3役も続投させる方針を明らかにした。「松井路線の継承」を強調する中で繰り返し口にしたのが「8番キャッチャー」だ。例えば、子どもの頃はソフトボールで「8番キャッチャー」だったとして、次のように持論を展開した。

「社会に出てからも、そういう役回り、みんなが気持ちよくプレイできる、そういう舞台を作っていくというのが自分の性格にぴったりですから...。代表になったとはいえ性格は変わりませんから、これからも『8番キャッチャー』で頑張っていきたい」

   一方の松井氏については「4番ピッチャー、4番サードとかね、そういう花形選手だと思いますから。根本が違いますから、松井代表のマネをしても絶対無理」。松井氏は政界で必要な「野生の勘」が鋭いとして、「私も磨いていきたい」とした。

「今のところ『馬場カラーは何ですか』と言われても...」

   松井氏の路線を継承するということは「松井カラー=馬場カラー」なのか。やはり馬場氏は「松井路線を継承する」「8番キャッチャー」だという説明に終始した。

「松井ピッチャー、松井エースの球を受けて、内野に乱れがないか、外野の守備位置が正しいか...そういうことを専門的にやってきた。これから代表をやらせていただいて、何か気付いたことがあれば改革をやっていくが、基本はその松井路線を継承する。今のところ『馬場カラーは何ですか』と言われても、『8番キャッチャーです』としか言いようがないというのが現実」

   問われるのが与野党との距離感だ。与党については「『是々非々』という路線は堅持していきたい」とする一方で、立憲民主党の新執行部については「『昔の名前で出ています』という顔ぶれですよね」。執行部メンバーの過去の国会活動は「真横で見させていただいている」とした上で

「勉強して、今までの古い55年体制のようなやり方は変えていくというのであれば政策ごとに連携しても良いと思うが、旧態依然とした、いわゆる永田町の前例慣例で自民党と向き合っていくということであれば、我々としては一切協力できない」

などと話し、慎重姿勢を示した。

   党に対する注目度の低さも課題だ。それを端的に表すのが、社会調査研究センターと毎日新聞が8月20、21日に行った世論調査の結果だ。維新代表選について「あなたが新しい代表になってほしいと思うのは誰ですか」という設問に対して、立候補者の中では馬場氏12%、梅村氏8%、足立氏4%の順に多かったが、最も多かったのは「関心がない」の75%だった。

   この点について問われると、馬場氏は「裏返すと、『関心がある』というのが25%あることなんですね。これは今のうちの政党支持率よりも高いですよね。それは一定、私は効果があったと思うんですね」。これまでの活動は「まだ花は開いていない」が「芽が出てきているということは間違いない」として「決して悲観するような状況ではない」と述べた。

(J-CASTニュース編集部 工藤博司)

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