ボクシングの権威ある米専門誌「ザ・リング」(WEB版)が2022年8月27日(日本時間28日)に世界バンタム級3団体統一王者・井上尚弥(大橋、29)のインタビュー記事を公開。井上が将来的なライバルについて言及した。
スーパーバンタム級は「未知の世界」
インタビューの中で話題に上がったのがWBC、WBO世界スーパーバンタム級王者スティーブ・フルトン(米国、28)だ。井上よりも1階級上の王者でWBCとWBOの2本のベルトを保持している。来年以降、井上がスーパーバンタム級に上げた場合、対戦候補のひとりとなる。
フルトンとの対戦の可能性を問われた井上は「お互いに戦うとすれば、素晴らしいテクニカルバトルになると思います。簡単な戦いではないでしょう。フルトンはリーチが長いので、どれだけ距離を縮められるかだと思います」と率直に胸の内を明かした。
また、井上は過去にスーパーバンタム級が最適な階級であると語っており、そのことを問われると冷静かつ慎重に答えを出した。
「122ポンド(55.3キロ=スーパーバンタム級リミット)でもっと動けるし、もっと力を発揮できると思う。しかし、それは私がよりよく動けるようになった(そしてより活動的になった)だけです。本来体格が大きいはずの相手にどれだけダメージを与えられるか分からない。未知の世界になります」
現在、世界主要4団体のスーパーバンタム級には2人の世界王者が存在し、フルトンがWBC、WBO王座を保持し、ムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン、27)がWBA、IBF王者に君臨している。
「フィゲロア戦が彼の最高の試合だったとは思わない」
「ザ・リング」によると、井上はまだアフマダリエフの映像をあまり見ていないと明かし、一方のフルトンの映像は21年11月に行われたWBA、WBC世界スーパーバンタム級王者ブランドン・フィゲロア(米国、25)との一戦を見たという。試合はフルトンが2-0の判定でフィゲロアを下した。
井上は「フルトンはテクニカルファイターです。彼はとても上手に距離を保つことが出来る」と評し、「私は彼の試合を1つしか見たことがなく、フィゲロア戦が彼の最高の試合だったとは思わないのでこれ以上は言いません」と話すに留めた。
井上の次戦に関しては、米スポーツ専門局「ESPN」が8月24日(日本時間25日)に日時、対戦相手などを報じた。
同メディアはWBO世界バンタム級王者ポール・バトラー(英国、33)と12月13日に日本で王座統一戦を行うことで合意したと伝えた。井上はかねてからバトラー戦を望んでおり、WBO王座を獲得し世界4団体を制覇した際には階級をスーパーバンタム級に上げる見通しだ。
The MONSTER wasted no time ?? @naoyainoue_410 knocked out Nonito Donaire in two rounds. #InoueDonaire2 pic.twitter.com/WmMxwcWRib
— ESPN Ringside (@ESPNRingside) June 7, 2022