小さな空港を維持するために奮闘
萩・石見空港は、1日に東京(羽田)便が2往復するだけの小さな空港だ。多くの利用者は観光客。小京都として知られる津和野町や、幕末維新志士ゆかりの地である山口県・萩市を訪れる人が利用する。
わずかな便を維持するために空港では様々な取り組みを続けている。例えば滑走路を走れるマラソン大会を開催しているほか、空港で職員が作った蜂蜜を販売している。
新型コロナウイルス感染症拡大前までは、こうした取り組みによって利用者数は伸び続け、年間で14万7000人が利用するようになった。しかしコロナ禍によって利用客は激減。島根県の発表した萩・石見空港の年度別利用状況によれば、昨年度の利用者数は3万6000人ほどだった。
西松さんはコロナ拡大前から柴犬の企画を進めていたが、20年から21年は飛行機が飛ばない日もあった。コロナ情勢を見極め、22年6月になってようやく柴犬によるお出迎えサービスを実現した。
「お出迎えを行う柴犬たちは人懐っこいです。空港には10~15匹くらいが揃いますが、最初は犬同士でじゃれたり吠えあったりしています。しかしどういうわけか、お客さんが来る前には落ち着いています。この前5回目を実施しましたが、だんだん慣れているように思います」