立憲民主党は2022年8月26日に両院議員総会を開き、参院選の総括を受けた新執行部を発足させた。泉健太代表は続投し、幹事長に岡田克也元副総理を起用。西村智奈美幹事長は代表代行になり、逢坂誠二代表代行との2人体制にした。政務調査会長に長妻昭元厚生労働相、国会対策委員長に安住淳元財務相をあてた。
旧民主党政権時代の閣僚経験者を多く再登板させて政権担当能力をアピールし、党再生につなげたい考え。ただ、起用された側からも「ちょっと食傷気味」(岡田氏)といった声があがり、会場から笑いが起こる場面も。泉代表は、ベテラン起用には「新味に欠ける」といった批判を上回る意義があると強調した。
安住氏「徳俵に足がかかっている政党だということはよく分かっている」
岡田氏は立憲の前身にあたる民主党や民進党の代表や幹事長を歴任。両院議員総会で
「与党の幹事長を1回、野党の幹事長を3回。ちょっと食傷気味ですが...」
とあいさつすると、会場から笑いがもれた。その上で、
「何とかもう1回、政権交代を目指せる政党を、早く作り上げるために頑張りたいと思います。よろしくお願いします」
と決意表明した。
安住氏は「何回目かは...忘れました...」。また会場から笑い声が起きたが、「徳俵に足がかかっている政党だということはよく分かっている」などと土俵際の党勢にも言及。
「何とか国民から見て『やっぱりこの党が必要だ』と思われるような党になるために、まなじりを決してやる」
と述べた。
ベテランの経験は「『新味に欠ける』ということを上回る」
両院議員総会後に泉代表が開いた記者会見では、岡田氏のあいさつを念頭に
「食傷気味といいますか、先祖返りといいますか、若干新味には欠けるという指摘は否めない」
という指摘も出た。泉氏は、
「おそらく何らかの人を起用すれば、それについて揶揄をする声もあれば、いろんな感想を述べられるケースもあるのかなと思う。ベテランを起用するというのは、そういった『新味に欠ける』ということを上回る経験があり、それを党の次の世代を育てるために有効に活用していきたいという思いから、私は今回、改めてベテランを起用した」
などと人事の意図を説明。
「これまで大臣を経験してきた新しく執行部に入る方々、その知見というものも、次に繋いでいきたい」
と話した。
泉氏が就任当初掲げた「提案型」が、今回の新体制で「対決型」に変化するとの指摘もある。泉氏は「批判も提案もします」。民主党が政権に就く前に設けていた「ネクストキャビネット」(次の内閣、NC)を復活させ、政策立案能力もアピールしたい考えだ。
(J-CASTニュース編集部 工藤博司)