サッカー・イングランド・プレミアリーグのチェルシーが2022年8月20日、同クラブの公式サイトを通じて韓国代表のエースでトッテナムに所属するFWソン・フンミン(30)に人種差別行為をしたチェルシーファンに対して競技場への出入りを無期限禁止としたことを発表した。
「あらゆる形態の差別的行為を完全に憎むべきものと考えます」
韓国メディア「朝鮮日報」(WEB版)によると、今月14日にロンドン・スタンフォードブリッジで行われたトッテナム対チェルシー戦の後半にソンがコーナーキックを蹴るために観客席に近付いた際、観客席のファンが「つり目」のジェスチャーを見せた。この行為は生中継したテレビカメラに捉えられSNSで拡散された。
チェルシーはファンによる人種差別的行為に関して19日にも公式サイトで声明を出しており、「チェルシーフットボールクラブはあらゆる形態の差別的行為を完全に憎むべきものと考えます」とし、「私たちはこの事件を調査しており、特定された場合、この人物はクラブからの強い措置に直面します」との方針を打ち出した。
「朝鮮日報」によると、ソンに対する人種差別は今回が初めてではなく、21年4月にも一部ファンに人種差別的な発言を受けたという。
トッテナムはホームでマンチェスター・ユナイテッドと対戦。前半33分にMFスコット・マクトミネイがソンのマークを振り払おうとした際に手がソンの顔面を直撃。ソンがピッチに倒れこむ間もプレーは続けられFWエディソン・カバーニがゴールを決めた。VAR検証の結果、マクトミネイのソンへの行為がファウルとされゴールが取り消された。
識者「非常に意味のある措置」
試合後、マンチェスター・ユナイテッドの一部ファンがSNS上でソンに対して人種差別的発言をした。英国の警察は捜査を通じて人種差別的な投稿をした12人の身元を割り出し、彼らはソンに謝罪の手紙を書いたという。
18年にもソンに対するファンの人種差別的な発言があり、この時は身元を特定されたファンが罰金刑を課された。
韓国の通信社「聯合ニュース」(WEB)は、今回チェルシーが取った措置に関する誠信女子大学のソ・ギョンドク教授のコメントを紹介。ギョンドク氏はSNSを通じ「非常に意味のある措置であり、欧州サッカーリーグでよく起きた人種差別に対する良い先例になるだろう」との見解を示した。
ソンは2015-16シーズンからトッテナムでプレーし、21-22シーズンはアジア人史上初となるプレミアリーグ得点王となった。韓国代表のエースとして母国をワールドカップカタール大会(11月開催)に導くなど国民的英雄として知られる。
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— Tottenham Hotspur ???????? (@Spurs_KR) May 4, 2022