転売ヤー対策?「ガンプラ」新旧ごちゃまぜ陳列が話題 ヤマダ電機が明かす「真の狙い」

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   家電大手のヤマダホールディングスが展開する新業態店「Tecc LIFE SELECT(以下ライフセレクト)」の、キャラクター模型コーナーの陳列方法がツイッターで注目された。ガンプラと呼ばれる人気アニメ「機動戦士ガンダム」のプラモデルなどの売り場では、新作も旧作も混在した状態で販売されていたという。

   こうした陳列方法をめぐり、転売目的の購入を防ぐ効果があるのではないかと話題になっている。

  • ヤマダホールディングスの大型店舗「Tecc LIFE SELECT」
    ヤマダホールディングスの大型店舗「Tecc LIFE SELECT」
  • 店内の様子
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  • 店内の様子
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「ごちゃ混ぜにしている方法は転売ヤーが嫌がる店になる」

   ライフセレクトでは基本的に、新作をピックアップした展示コーナー「新作棚」が設けられていない。この陳列方法に気づいたツイッターユーザーは2022年8月13日、次のようにツイートした。

「今日行ったヤマダ電機はなかなかのことをしていた。新作棚をあえて作らないと言う方法だ。旧作、BB戦士(編注:ガンプラシリーズの一つ)、新作、再販をごちゃ混ぜにしている方法は転売ヤーが嫌がる店になるな」

   人気の新作商品は、品薄となりやすく希少価値も高まる。こうした商品を転売目的で購入する客が、商品を探すのに手間取る店として避けるのではないかと推測している。投稿者によれば、ライフセレクトでは近隣店舗で売り切れていた人気のガンプラがある程度揃っていた。

   ツイッターでは「これは賢い」「いいアイデアかもしれない」などと納得する声が広がっている。

   しかし実際は転売を防ぐことを目的とした陳列ではないようだ。J-CASTニュースの取材に対し、ヤマダホールディングス広報は次のように述べる。

「今回話題になった玩具、特にガンプラについては、お客様に幅広い製品を楽しく選んでいただくことを目的にあえて新作の棚を設けておりません。新しいものもそうでないものも、お客様に幅広く見ていただきながら、楽しく欲しいものを選んでいただきたいという趣旨から方法を取っています」

「新作探してたら昔欲しいと思っていたガンプラに出会えるかも」

   話題になったライフセレクトは、ヤマダホールディングスが21年6月から展開し始めた新しいコンセプトの店。売り場面積が3000坪から4000坪程度の大型店で、エリア内で最大級の売り場の広さと幅広い品ぞろえを目指しているという。

   この業態では、新製品だけを並べる展開はあまり行っていないという。

「家電であれば性能や大きさ、価格で分けています。その中で新製品は個別にPRを行っております。
ホビーやおもちゃ関係など、特に趣味嗜好の強い分野については、新しい製品が出ても他の製品と楽しく比較検討して選んでもらえる仕組みを作っています。
売り場で意識しているのはビジュアルです。豊富な品ぞろえによって迫力を出し、体験型展示コーナーなどを充実させています。実際に体験してもらったうえでお客様自身が欲しいと思えるもの探し出していただけるよう意識しております」

   新旧を分けない展示方法については、ツイッターでも、

「売り場というお宝の山から自分だけのお気に入りの物を見つけた時の喜びってありますよね」
「本屋さんの棚をぼーっと眺めながら、出会いがあるのと似ているなぁ」
「新作探してたら昔欲しいと思っていたガンプラに出会えるかも」

などと好意的な声が寄せられている。

SNSの声を今後の売り場の展開に生かせる

   「転売対策」などと本来の趣旨とは異なる観点から注目を集めたが、広報は「展示方法が注目されることはあまりないのでありがたい」と嬉しく受け止めている。

「我々の意図と違うところでご感想を述べていただいておりましたが、私どもの方でも新しい気付きがございます。今回はガンプラの件で、お客様の転売への意識など販売店側も注意すべきことを気づかせてもらえました。お客様がどういったものをお求めになるのか考える中で、ありがたい情報です。
そういった面ではSNSなどの情報について、我々も常に確認する必要があるでしょうし、好意的な声は今後の売り場の展開にも生かせると思います」

   転売対策については、次のように述べる。

「転売は線引きが難しいです。一人で10個20個買われるなど明らかに購入数が多い商品、入荷個数などから品薄になりそうな商品は販売の個数の制限を実施することもあります。情報を収集して適宜対応していくことを心掛けています。
テレビゲームなど(転売横行で)社会問題となるような特定の製品についても品薄になりがちです。そういった商品については、多くのお客様が幅広く公平に受け取れるよう抽選販売を行っております。ただ必ずしも転売を防ぐことを目的としているわけではなく、あえて転売のための対策を取るといったことは小売業という立場から難しいです」
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