VTuberグループ「にじさんじ」を運営するANYCOLOR(東京都港区)は2022年8月18日、アクシア・クローネさんの配信活動を休止すると公式サイトで発表した。
誹謗中傷や虚偽情報の被害が理由だという。アクシアさんは「俺はただのゲーム実況してるだけの配信者。俺に対して彼女ヅラして変な夢見るな」などと訴えている。
18日から無期限で配信活動休止へ
黒髪の青年姿をしたアクシアさんは、21年7月に配信活動をはじめ、シューティングゲームの「APEX」を中心とするゲーム実況動画で人気を博す。YouTubeチャンネル登録者数は約25万人、ツイッターは33万超のフォロワーを獲得している。
ANYCOLORの発表によると、22年春ごろからSNSなどでアクシアさんへの誹謗中傷、悪意のある虚偽情報や、アクシアさんに関わった所属VTuberへの危害予告がみられ、被害は日を追って拡大していた。
8月になり、多くの所属VTuberの配信にアクシアさんの名前を含むスパム(迷惑)コメントが大量に投稿されるという業務妨害に発展。本人から申し出があり、「本人の心身の健康のためにも、活動を休止するという判断に至りました」。
一連の流れについて「極めて重大な問題として捉えており、こういった卑劣な言動を決して許容いたしません」と見解を示し、刑事と民事を視野に法的措置を進めているという。今後もネット上の悪質な書き込みには厳正に対処していくとした。
「アクシア・クローネを暖かいお言葉で応援してくださっているファンの皆様、並びに関係者の皆様には、ご心配とご迷惑をおかけして申し訳ございません」
アクシアさんも同日、配信活動を無期限で休止するとツイッターとYouTubeで伝えた。
動画では、問題解決に向けての時間を設けて「気持ちよく活動再開しよう」という考えで休止に至ったといい、心身ともに好調だとする。
近況の報告が滞っていたとファンに詫び、ネット上の悪質な書き込みには「嫌ならば見なければいい、そっと離れてくれって今まで注意喚起してた。俺もずっと我慢してた。匿名は無敵じゃない」と抗戦する構えを示した。
過激なファンに「距離感を間違えないでくれ」
アクシアさんは問題の根幹にあるとする一部ファンの距離感について、「会社からは言わない方がいいって言われている」と前置きして鬱憤を赤裸々に明かしている。
違和感は、「可愛い」というコメントが過剰に寄せられたデビュー当初のゲーム配信に始まったという。
その後の活動においても、ファンの一部がコラボ相手に「うちのアクシアを宜しくお願いします」といった発言や陰湿なコメントを残す状況があったと苦言を呈する。アクシアさんはコラボ相手に裏で謝罪してきたとし、過激なファンには「母親ヅラしないでくれ」と注意を重ねたとする。
しかし「反抗期扱い」に留められるなど改善されず、「どーすりゃええねん!さっさと離れてくれ!」と不快感を露わにするアクシアさん。行動を指示するコメントもたびたび受けており、
「何を言われても俺はラジコンじゃないし、言うことを聞くことは今後も一切ない」「俺はただのゲーム実況してるだけの配信者。俺に対して彼女ヅラして変な夢見るな」
と訴えた。恋愛対象化する「リア恋」や男性同士の恋愛を好む「腐女子」といったファンの形は、好まないが個人で楽しむ分には問題ないとする一方、他人を巻き込んだり、攻撃したりする場合は「今すぐいなくなってくれ」と願う。
アクシアさんは「距離感を間違えないでくれってこと」「この問題はずっと俺に付きまとってきたものだし、ここできちんと言うべきだと思った」と総括した。視聴者全体には該当者を挑発しないよう求め、「俺がまた配信してたら、気楽にみてくれ」と呼びかける。
ラップでも吐露「打ち上げる反撃の狼煙」
アクシアさんは発表に続けて「What Do You Do」と題した動画を公開した。フリー楽曲を用いたヒップホップで、自作とみられる歌詞は、
「アプローチしても程遠い そうそれは重い片思い 彼女ヅラ?母親ヅラ? 反吐出る喰らえ踵落とし 積もった埃を振り払う これは今年最後の大掃除 一人も残さん生き残り 打ち上げる反撃の狼煙」
などと、立場を弁えないファンへの憤りをぶちまけるような内容だ。