黒柳徹子も「彼女のような女性になりたい」 戦後日本女性のあこがれ背負った森英恵さん

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「あんな風にずっときれいでいられたら」

   すらりとした長身。人柄も魅力にあふれ、ファンが多かった。8歳年下で「ハナエモリ」のイブニングドレスを「ザ・ベストテン」や「紅白」で愛用してきた黒柳徹子さんは、雑誌『別冊太陽』の「森英恵――その仕事、その生き方」特集号(平凡社、2011年12月刊)で「森先生は昔から知的で物腰が柔らかく、近代的でありながら感じの良い日本人女性だった」と称賛。「彼女のような女性になりたい、あんな風にずっときれいでいられたら」と憧れていたという。

   そして、「ハナエモリ」の一番の要素であるエレガンスは、「森英恵先生自身が持っているエレガンスなのだと思う」とも語り、主婦となって二人の子を育てながら、欧米で活躍する姿は、多くの人に勇気を与えてくれたと回想。「第二の人生を始めたい」と思った人の道しるべになったと、日本の戦後女性史の中で森さんが果たした大きな役割を強調している。

   森さんは2004年にオートクチュールからは引退したが、創作意欲は衰えず、13年にはオペラ「夕鶴」の舞台衣装を担当。主役の「つう」を和服ではなく、白いドレス姿にしてアッと言わせた。2015年には故郷の島根県で回顧展も開かれた。戦後の混乱期を経て、世の中がパッと明るくなった時代に咲いた、大輪の花のような人だった。孫にモデル・タレントの森泉さん、森星さんがいる。

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