「父は、32歳で戦死をいたしました」 尾辻秀久参院議長、式辞で見せた「平和への決意」

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「私たちにできることは、散っていかれた方々のことを忘れないこと」

   参院副議長を務めていた11年11月25日には、急逝した、民主党出身の西岡武夫議長に対する追悼演説も行っている。その中で、次のように戦争体験にも触れている。

「少年時代にふるさと長崎市に原子爆弾が投下される瞬間を目撃しておられます。御尊父が長崎と広島の両地で被爆されました。愛する郷土長崎の惨状は、先生にどれほどの衝撃を与えたことでしょう。平和を希求する政治家、西岡武夫の原点であります」

   尾辻氏は議長として初めて臨んだ今回の「追悼の辞」で、戦争による犠牲について

「この平和が、取り返しの付かないほど、大きな犠牲の上に築かれていることを忘れてはなりません。私たちにできることは、散っていかれた方々のことを忘れないことであります」

と述べた。

   尾辻氏は12年から15年にかけて日本遺族会の会長を務めた。さらに、超党派の議員連盟「みんなで靖国神社に参拝する国会議員の会」の会長も務めてきたが、22年8月3日の議長就任会見で、「けじめをつけておきたい」として、辞任する意向を明らかにしている。

   尾辻氏の「追悼の辞」は次のとおり。

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