絵を描くAI「Midjourney」なぜ人気? 「画家を駆逐するリアリティ実感」...識者が考える「人間への問い」

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AI画像生成サービスが投げかけている問い

   AI画像生成サービスは人間にどのような問いを投げかけているのか。2人は「現時点では美学や芸術の概念を純化していく」と述べている。

「19世紀における写真術の登場は、『写実的に巧く描く技術は、芸術創作には必要ないのではないか』という問いを、当時の美学や芸術に投げかけました。その結果、美術は印象派から抽象絵画に至る近代絵画史を駆動し、写真機で代替できるような技術から遊離しました。
今回のAI画像生成サービスの登場も同様に、『構成や色価の処理も含めて巧く描く技術は、芸術創作には必要ないのではないか』という問いを、今日の美学や芸術に投げかけることになると考えます」

   現状のAI画像生成サービスは前述通り自意識や美意識を持たないが、「将来、自意識や美意識を持つ主体的存在としてAIが自ら美学を行い芸術を作り始め、人間の介在なしに『芸術のための芸術』を追求し始めることがあるとすれば、人間にとっての美学や芸術の概念の純化などという生やさしい事態では収まらなくなります」と、2人は指摘する。「美学や芸術、さらには人間の尊厳そのものが深甚な打撃を被るはずで、それこそが、美学や芸術に対する真の問いとなるはずです」と予測し、また、そうした考察を深めていくことが、2人が発足したAI美芸研の目的だという。

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