「同人」の世界のコスプレが「文化」になった
多くのコスプレイヤーが精力的に活動しているが、世間の受け止めはどのようなものなのか。J-CASTニュースは7日、世界コスプレサミットの実行委員長・小栗徳丸さんに直撃した。
「約10年前はコスプレ趣味が一般的には理解しがたい趣味とされていました。コスプレは同人イベントなどクローズな場で楽しまれるものであり、コスプレイヤーさんたちの間で『コスプレがパブリックな場に出ていいのか?』と言う疑問や遠慮がありました。
しかしここ10年、大須商店街で開催してきた『コスプレパレード』が浸透してきました。以前よりもハロウィンが浸透したことからも仮装姿そのものが珍しいものではなくなり、理解しやすいものに変わりました」
そして現在、コスプレは名古屋市全体で受け入れられている。
「栄地域がコスプレのメッカ(聖地)として浸透し、現在名古屋市は『コスプレホストタウン』としてコスプレイヤーを歓迎しております。多くの企業や商店街も受け入れており、名古屋市公認コスプレ施設、コスプレサポートホテル、コスプレサポートタクシーなども増えてきました」
コロナ禍を受けてイベントを中止した2020年は、参加するコスプレイヤーのために3密を防いだ更衣室の用意が困難という課題があった。しかし名古屋市がコスプレホストタウンを宣言したことで、自宅や宿泊地からのコスプレ参加の心理的ハードルが下がった。
コスプレでの交通機関などの利用は以前から認めていたものの、街全体が大々的に宣伝したことで、コロナ禍でもコスプレイヤーが活動しやすい雰囲気になったという。
さらに今回は、11月に愛知県長久手市に「ジブリパーク」がオープンすることを受けて、世界で初めてジブリ公認のコスプレ企画を行った。愛知県の大村秀章知事は7日、オアシス21の特設ステージに「耳をすませば」の主人公の月島雫の父親・月島靖也のコスプレ姿で登場。「ジブリ」のキャラクターに扮した13組のコスプレイヤーとともに会場を盛り上げた。小栗代表は「ジブリの許可を得るために、僕たちからではなく大村県知事に交渉をお願いしました。宮崎吾朗監督も好意的に受け止めてくれたようです」と振り返る。
世間のコスプレに対するイメージを変えたのは、こうした行政の協力も大きい。外務省や愛知県はなぜ、コスプレイベントの開催を支援したのか。イベント開催前に取材した。