コロナ禍を経た「コスプレ」の現在
アニメ「HUNTER×HUNTER」のキャラクターに扮していたコスプレイヤー3人組は、愛知、三重、静岡から訪れていた。3人ともコスプレ歴は7年を超え、コスサミには毎年同じメンバーで参加している。SNSを通じて仲良くなり、同じ作品のコスプレで集まる「併せ」を楽しんでいるそうだ。
「コスプレの頻度は少し減りました。コロナ禍が始まってすぐのころは、『併せ』が中止になることが多かったですね。それから1年間はほとんど活動ができなくなって、自宅でコスプレを楽しむ『宅コス』が中心になりました」
コスサミはコロナ禍でどのように変化したのか。老舗のコスプレイベント「コスプレ博」の広報を務め、自身も「コスプレNEWS(@cosplay_news01)」でコスプレ関連の情報発信を行うコスプレイヤー・南さんは次のように語る。
「イベント参加者の数はコロナ前ほどではないと思います。以前は芝生がすべて埋まるくらいコスプレイヤーさんでひしめき合っていました。参加者の目的は交流メイン、知り合いと会うのが一般的だと思います」
コロナ禍をコスプレ業界はどのように受け止めているのか。イベントに出店していたコスプレ用ウィッグ専門店「アシストウィッグ」の担当者はこう述べる。
「コロナ前後でコスプレイヤーの方が減った印象はありません。宅コスなどでコスプレに挑戦する方もいらっしゃいます。現在だと『呪術廻戦』などのメジャーな作品やVTuberをきっかけに参入される方が多いです。ウィッグを作るのは大変だと思いますが、インターネット上にも情報があるので取り組みやすくなったと思います。
またSNSでの交流や、コスプレができる大きなイベントが昔と比べて増えています。日本橋ストリートフェスタや池袋ハロウィン、コミックマーケットなどのコスプレも良い意味でメディアに取り上げられるようになりオタク文化が浸透した影響もあると思います」
コロナ禍でも多くのコスプレイヤーが活動を続けている。オアシス21の特設ステージでゲーム「あんさんぶるスターズ!!」のダンスパフォーマンスを披露したコスプレグループ「てんゆーす」は取材に対し、こう話した。
「コロナ前後で大人数での撮影ができる頻度は下がりましたが、ゲームの熱量に打たれ、好きな作品の新しい情報がモチベーションに繋がりました!」