中国外務省の華春瑩報道局長によるツイッターの「空中戦」が迷走している。数日前に3日前には中国料理店が多数台湾にあることを理由に、「ひとつの中国」論を主張してツッコミが殺到したばかり。
2022年8月9日には、米連邦議会のペロシ下院議長による台湾訪問を殺傷事件に例えて、ペロシ氏が台湾を去った後も中国軍が台湾周辺の海空域で軍事演習を続けていることを「刺されてナイフを抜いても、傷口の出血が止まらないからだ」という独自の表現で正当化した。
「味覚はごまかさない。台湾はずっと中国の一部だった」にツッコミ続出
華氏のツイートは8月7日夜に話題になったばかり。台湾・台北の地図で「山東餃子館」「山西刀削面」を検索した結果の画像つきで、
「百度地図によると、台北には山東餃子の店が38軒、山西刀削麺の店が67軒ある。味覚はごまかさない。台湾はずっと中国の一部だった。長く迷子になっていた子も、いずれは故郷に帰る」
と主張する内容だ。この書き込みには、マクドナルドなど米系チェーンが多く中国に進出していることを引き合いに「中国は米国の一部」だとする声や、台北の日本料理店や韓国料理店の地図つきで「台湾は米国、日本、イタリア、韓国の一部なのか?」といった声など、ツッコミが続出。この経緯をAFP通信の日本語版サイトが
「『中国料理店があるから台湾は中国』 報道官ツイートに失笑の嵐」
の見出しで報じると、ツイッターでは「失笑の嵐」が「トレンド」入りした。
ペロシ氏の台湾滞在は8月2~3日
8月9日には、さらに独自の表現を展開した。ペロシ氏訪台に対抗する形で中国側が行ってきた軍事演習に関連する内容だ。中国軍で台湾方面を担当する東部戦区は、台湾周辺の6つのエリアを封鎖して実弾演習を実施。当初は4~7日の日程で行うことを発表していたが、予定を延長して8~9日も演習を行ってきた。こうした状況を受け、台湾の外相にあたる呉釗燮(ジョセフ・ウー)外交部長は9日の記者会見で、
「中国はペロシ議長の台湾訪問を口実に、さまざまな方法でその本心を追求している」
などと非難。「本心」の一端を
「中国は何年も前から台湾を軍事的に脅しており、今もその水準を高めようとしている」
と説明した。なお、ペロシ氏は8月2日夜に台湾に到着し、翌3日には次の滞在地の韓国に向かっている。
華氏のツイートでは、
「『ペロシはすでに台湾を離れたのに、なぜ中国はまだ軍事訓練をしているのか?』と問う声もある。答えは簡単だ。刺されてナイフを抜いても、傷口の出血が止まらないからだ。ペロシの台湾訪問は、米台関係の段階を上げる大きな挑発であり、中国の主権と領土の一体性に対する真の脅威だ。中国はあらゆるシナリオを想定して準備しなければならない」
などと主張。返す刀で、米国側の動きを
「ところで、米国は米国領土から何千マイルも離れた中国の玄関先で100回以上の軍事訓練を行ってきた。中国が自国の領土の一体性を守ることの何が問題なのだろうか?」
と批判した。
(J-CASTニュース編集部 工藤博司)
Some are asking: #Pelosi already left Taiwan, why's China still doing military drills? The answer's simple: When you get stabbed, after removing the knife, the wound won't stop bleeding.
— Hua Chunying 华春莹 (@SpokespersonCHN) August 9, 2022