シェフが「米に主張は不要」というスペイン
食材の食べ方や調理法の違いを通じて、食文化の差を感じるパターンもあります。
たとえば、スペインと日本の「お米の扱い」の違いが注目されました。
食のECサイト『GOOD EAT CLUB』の編集者、山田和正さんは19年1月、スペインのシェフから「日本の米はウマすぎてダメだ」と言われた体験を発信し、注目を集めました。
お米は、日本でもスペインでもなじみ深い食材です。そのシェフによると、パエリアなどのスペインの米料理は、食材のうまみたっぷりのスープをお米に吸わせて食べるのが目的のため、お米自体の主張はいらないとのこと。
山田さんは「米をいかにうまく食うかが出発点の日本人にはない発想だった」とコメントしています。
<スペイン人のシェフ『パエリアに米の主張はいらない』→日本と違う米や料理の文化の話へ「白いご飯を食べる文化が特殊なのかな」- Togetter>
モンゴル料理と日本の料理の味付けを比較するエピソードが話題になったこともあります。
文化人類学者の島村一平さんは21年5月、「モンゴルでビーフハンバーグを頼んでも羊肉の味がした」と投稿しました。理由は焼くときに羊の油を使うからで、島村さんは「牛肉を使った料理をわざわざ羊味にしなくてもいいのに!」と閉口したそう。
しかしその後、モンゴル人から「なんで日本人は、わざわざ肉を魚味にするのだ?」と尋ねられたそう。言われてみれば確かに、日本では肉料理に魚のだし汁を合わせることがよくありますね。
<モンゴルのレストランで牛肉を頼んでもなぜか羊肉味がする、という事実から垣間見える日本の食文化の盲点について- Togetter>
同じ食材でも、調理の仕方や味付けに食文化の違いがはっきり表れることが良くわかるエピソードと言えるでしょう。