「どうせ言ったところで何も変わらない」
(3)の「開発プロセスにおける問題点」は、開発を管理するマニュアルやルールが十分に整備されていない、一応は存在するも徹底されていないとの指摘だ。
多くの従業員は問題との認識があったものの、「見て向ぬふり」をしていた可能性がある。「マニュアルやルールどおりに業務が行われない状況が常態化することで、従業員のマニュアルやルールを軽視する風潮や、『どうせ言ったところで何も変わらない』といった諦め感を増長した可能性も考えられる」(調査委)。
アンケートでは、チェック体制の甘さから「不正な判断で発売したとしても、何年かしてしまえば、『私の判断でない。知らない。』と言えば、逃げ切れる可能性が高い」とガバナンス不全を嘆く回答もあった。
最後の(4)「法規や制度を軽視する姿勢」では、「『前と同じじゃダメなの?』、『そんな細かいこと気にしなくてもいいんじゃない?』、『ちょっとくらい大丈夫でしょ』という雰囲気を嫌というほど感じた」などと、コンプライアンス意識の低さを挙げる回答が複数あった。
調査委はアンケート結果から、これらの原因を生んだ企業風土や体質は次の7点だと考察している。主な回答とともに紹介する。