東京漫画社のBLウェブマガジン「NUUDE」で連載中の漫画「影守人のジグとメル」が2話で打ち切りになった。2022年8月1日に公式サイトで発表された。
作者の陽歌れいりさんは、担当編集による連絡不備や打ち合わせの反故などが相次いでいたと訴える。
「担当編集のスケジュール管理の甘さと度重なる不手際」
「東京漫画社」は、主に飲食店事業を展開する有限会社ソフトライン(東京都調布市)が手掛ける出版サービスの1つで、屋号。BLウェブマガジン「NUUDE」は20年7月に誕生した。
「影守人のジグとメル」は、21年5月15日発売のNUUDE vol.6で連載を開始。しかし第1話以降、休載が続いた。
NUUDE編集部は21年12月、「担当編集のスケジュール管理の甘さと度重なる不手際により、進行面で先生に多大なるご迷惑をおかけした」として休載を謝罪。「今後は編集体制を整え、先生にご負担のかからぬよう進行して参る所存です」と発表し、22年5月には第2話を公開した。
しかし8月1日、「影守人のジグとメル」の連載を終了すると発表した。
「昨年12月にお詫び致しました通り、担当編集の不手際による休載が続き、その後進行を再開して参りましたが、陽歌先生と協議を重ねました結果、本作の制作継続は難しいとの判断に至りました。
連載を楽しみにしてくださっていた読者の皆様に、深くお詫び申し上げます」
作者の陽歌さんは同日、自身のツイッターで連載終了に至る経緯と理由を次のように説明した。
担当編集については「連絡が取れず作業が進まない」「打ち合わせのすっぽかし多数」などの不手際があったと指摘。他の作家の掲載状況や作業進行と比較しても、「連絡を無視される等ぞんざいな扱いを受けていると感じた」という。他の社員に対しても数回にわたり改善を求めたが、こうした状況が1年ほど続き、蕁麻疹による不眠や突発性難聴を患うなど生活に支障が出始めたと訴える。
「11月の時点で精神的な限界を感じ、連載終了を申し出ていました」
「『影守人のジグとメル』は私のデビュー作であり、今でもとても大切に思っていますし、思い入れがあります。
しかしそれとは別に、自分の置かれている状況からNUUDEに当作品は必要ないのだと考えるようになり、去年の11月の時点で精神的な限界を感じ、連載終了を申し出ていました」
陽歌さんの申し出に対し編集部から判断を先送りするよう打診されたとして、前出のとおり21年12月に編集部が謝罪と今後についてのお知らせを出した。その後、陽歌さんは「なんとか持ち直せれば」と努力したものの、担当編集との状況はあまり好転せず。22年5月に公開した2話の作業過程でも連絡不備や遅延は改善されなかったという。
陽歌さんは、「『影守人のジグとメル』はNUUDEには必要ないのだと改めて感じ、執筆中は体調を崩しながらもなんとか描き終えるという状況でしたので、これは私にとっても作品にとっても良くないと考えました」として、連載を断念した。
陽歌さんは、連載が始まる前から決めていた展開を読者に届けられないことを「本当に不甲斐なく、情けない思いでいっぱい」だと打ち明け「読者の皆様からの応援やご期待を裏切る形となり、本当に申し訳ございません」と謝罪した。応援していた読者に対しては「心から最大の感謝を申し上げます」と述べ、こう意気込んだ。
「これからは気持ちを切り替えて、より良い作品を読者様にお届けできるよう精進してまいります」
【お知らせ】
— 陽歌れいり8/9され恋コミックス発売 (@YOUGA_RAYRI) August 1, 2022
東京漫画社NUUDEにて連載中の「影守人のジグとメル」は連載終了とさせて頂きます。
作品を楽しみにしてくださっていた皆様には、残念なご報告となり誠に申し訳ございません。
NUUDE編集部からは、HPでの告知以外されませんので、理由と経緯につきまして画像にまとめました。 https://t.co/kBxgYeI4wj pic.twitter.com/lm6y8eueZX