山口県阿武町が誤給付した4630万円の一部を別の口座に振り替えたとして、電子計算機使用詐欺罪で起訴され、2022年8月1日に保釈された田口翔被告へのインタビュー動画を、YouTuberのヒカルさんが公開した。
「想像と全然違う、好青年すぎてビビったな」
田口被告の弁護士が保釈後の会見で、田口被告に不足分となる約340万円の資金提供を申し出たホワイトナイトが、YouTuberのヒカルさんだったことを明かした。
ヒカルさんは1日夜、「4630万円誤送金問題の田口翔を保釈直後に独占インタビューしました」と題した動画を公開した。
田口被告とヒカルさんとの交流は、当初ヒカルさんのもとに弁護士を通じて阿武町への返済資金として「4000万貸してくれないか?」という連絡が来たことがきっかけだったという。
田口被告について調べるうち、誤給付によって人生が壊れてしまったのではと感じ「若干可哀想な人だな」と思ったとするヒカルさん。さらに「田口くん、なんか広告塔とかになるんじゃないかなと。ビジネスに繋げれるんじゃないかな」とも考えたとした。
保釈後、ヒカルさんが待つ車に「すみません、失礼します」と声をかけ乗り込んだ田口被告。髪が伸びていることに触れられると、「すみません、身だしなみが整ってなくてですね......」と恐縮した様子で答えた。
終始低姿勢な田口被告の様子に、ヒカルさんが「想像と全然違う、好青年すぎてビビったな。ネットってわかんないっすね」とすると、田口被告は「正直僕も、ネットとか見て怖いなって思いました」とこぼした。
「めっちゃ反省してます。もう次こんなことがあっても2度としない」
ヒカルさんと田口被告は、ヒカルさんが用意したホテルで対談。裁判中のため事件については話せないとしつつも、「自分がしたことについてどう思っているか」と尋ねられると、田口被告は「めっちゃ反省してます。もう次こんなことがあっても2度としないですね」。「更生したいっていう気持ちは強い?」との問いには「もちろんですね」と頷いた。
田口被告の性格や様子について「こんな好青年な感じだったんだ、っていうのが第一印象。ネットで見てたらパリピ系なんかなと」とするヒカルさんに、田口被告は「ネットはちょっとひどいですね、あれは......」と返答。
「実際素行悪かったん? 過去」と尋ねられると、「悪かった過去ですか......? 僕、(素行が)悪くはないんですけど、バイクとか乗ってました」と振り返った。「めちゃくちゃ大きな悪さをしたとか」との質問には「ないですね」とした。
ヒカルさんが「大麻を栽培しようとしてたみたいな......」と一部で報じられた疑惑について触れると、「それは嘘ですね」とキッパリ否定した。「周りにやっぱそういうのが好きな人はいます。ラッパー目指してる人とか......」とするも、「本当やったらもう捕まってますんで」と、自身にはそういった考えはなかったとした。
「ちょっとノーコメントでお願いします」
家族への想いを尋ねられると、「もう母親様様、家族様様ですね」とした田口被告。「24(歳)にもなって、親に『ごめんね、すいません』っていう態度を取らないといけない自分......早く親孝行したいなと思います。そのためにも仕事頑張りたいなと思います」と決意を語った。
事件をめぐり「(世間が)敵だらけに見えたんじゃない?」とするヒカルさんに、田口被告は「家族と一部の友人と、弁護士さんとか。(味方は)周りだけの人でしたね。それ以外はもう、みんな敵に見えました」と明かした。
事件後指名手配をされたことについて尋ねられると、田口被告は「指名手配にはなってないんですが、要はメディアが指名手配って勝手につけて......」と不満を漏らす姿もあった。一部では「行方不明」と報じられていたというが、その間も任意での出頭を続けていたとした。
「阿武町に対して、恨みとか憎しみとかは無いん?」との質問には、やや悩んだそぶりを見せつつ、「ちょっとノーコメントでお願いします」。ヒカルさんが「自分の中で納得いかへん部分が0ではないわな」とすると、田口被告は「そうですね」と返していた。
ただ、田口被告は続けて、「ただもう本当に僕がしたことに関しては、100%僕が悪いです」と反省を見せていた。