「乗客2人」から2年弱で黒字化視野 ZIPAIRはどうやって成長を遂げたのか...西田真吾社長に聞いた

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やっと貨物収入を旅客収入が上回るところまで来た

ZIPAIRの初便は20年6月。乗客を乗せない貨物便としてバンコク(スワンナプーム)まで飛んだ
ZIPAIRの初便は20年6月。乗客を乗せない貨物便としてバンコク(スワンナプーム)まで飛んだ

―― 先ほど、ロサンゼルス便は日によって満席だというお話が出ました。ZIPAIRでは、稲盛和夫氏の「アメーバ経営」を取り入れた親会社のJAL同様、便ごとに収支が把握できる仕組みが整っていると聞きました。今では黒字になっている路線も多いのですか。

西田:多いです。「この路線がこうだ」といったことは申し上げられませんが、やはり長距離路線の調子が非常にいいです。以前、「燃料代や着陸料、つまり運航するのに必要な費用はまかなえている」という説明をしていましたが、今はそれ以上に、飛行機の賃料や我々の人件費なども含めてカバーしてくれる路線がだいぶ増えました。全体としては、いわゆる赤字が拡大する状況ではありません。

―― 「出血は止まった」状態ですね。

西田:ばっちり、おかげさまで。ちょっと自虐的ですが、うちは世界初のローコストカーゴキャリア(LCCC)とも呼ばれていました。やっと貨物収入を旅客収入が上回るところまで来ました。貨物収入はご存じの通り高止まりしていますから、収支的にはだいぶ楽になりました。

―― 先日発表された22年3月期(21年度)の決算によると、旅客収入にあたる「航空運送収入」は7億1707万円だったのに対して、貨物収入にあたる「貨物スペース賃貸収入」は61億0355万円。22年度は旅客収入が貨物収入を上回るということですね。

西田: 我々はLCCなのでお客様からサーチャージ(燃油特別付加運賃)をいただいていませんが、貨物はサーチャージ制なので応分のコスト負担をしていただき、だいぶ助かっています。そこに貨物収入を上回るレベルの旅客収入が加わるので、収支状況は大きく改善されています。

―― 21年度の決算では純損益は50億3029万円の赤字でした。単月ベース、単年度ベースで、黒字転換のメドはいかがですか。

西田: 単月は公表していませんが、年度では(22年度決算で)十分黒字が狙えるところにいます。

―― 累積赤字の解消はいかがですか。

西田: この後の状況次第ですが、JALグループの中期経営計画(21~25年度)の間には十分回収できると思います。
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