個室焼肉店「焼肉ライク」などを手がけるダイニングイノベーション(東京都渋谷区)傘下のハンバーガーチェーン「ブルースターバーガー」が、2022年7月31日までに全店を閉店した。同社の担当者は取材に「現在のモデルのままで全国へ展開していく事は困難」と撤退理由を説明した。
コロナ禍の20年11月に「完全非接触」「完全キャッシュレス」を掲げ東京・中目黒に1号店を出店。ハンバーガーを1個170円で販売し、マクドナルドやモスバーガーなど大手チェーンの「対抗勢力」として注目されていた。
東京、神戸に4店舗展開
ブルースターバーガーはダイニングイノベーション傘下のブルースターバーガージャパンが運営。中目黒店は当初テイクアウト専門業態で、モバイルアプリなどで注文した後、店内の受け取り棚で商品を受け取る「完全非接触」方式を売りにしていた。支払いはキャッシュレスのみ。ビーフ100%パティを使用したハンバーガーを1個170円(税抜き)で販売するなど、低価格も強みだった。
出店直後から、コロナ禍で人気のハンバーガー店としてテレビなどで取り上げられた。テイクアウト需要が増えたコロナ禍では、鳥貴族HDのハンバーガー店「トリキバーガー」や、チキンバーガーを主力メニューとするロイヤルHDの「ラッキーロッキーチキン」など、大手飲食チェーンがハンバーガー販売に乗り出すケースが増加。ブルースターバーガーもマクドナルドやモスバーガーなど大手チェーンの対抗勢力の一つとして注目された。
21年12月には東京・立川市と神戸市に出店。22年1月には東京・渋谷にパティの大ボリュームを打ち出した新業態「BLUE STAR burger gourmet 113 渋谷宇田川店」を出店するなど、拡大を続けていた。
ハンバーガーは税込み210円に値上げ...
しかし、神戸市と立川市の店舗は5月末に、渋谷の店舗は6月末に閉店。1号店の中目黒店も7月31日で閉店した。7月30日、記者が中目黒店を訪れると、当初テイクアウト専門としていた店内には客席が設けられ、テイクアウト向けの商品受け取り棚も大幅に規模が縮小されていた。当初1個税抜き170円だったハンバーガーは、原材料の高騰にともない、22年4月に税込み210円に値上げ。その他の商品も軒並み値上げしていた。
ダイニングイノベーションの広報担当者は8月1日、J-CASTニュースの取材に「現在のモデルのままで全国へ展開していく事は困難と判断し、一旦撤退することとしました」と全店閉店の理由を説明。現時点で事業を再開する予定はないとした。