陸上自衛隊の内部資料「教範」とみられる冊子が、オークションサイトに複数出品されていることが分かった。
防衛省報道室はJ-CASTニュースの取材に、元自衛官に教範の回収を呼びかけるなど対策を講じるとした。
所属、氏名は塗りつぶし
「完全非売品超希少」「部隊連携の要、通信技術について書き尽くした書」「核兵器、化学兵器、生物兵器等を敵に使用された場合の対処法についてまとめられた書になります」――。
オークションサイト「ヤフオク!」で、陸上幕僚監部や陸自通信学校などが制作した教範だと喧伝する出品物が複数確認できる。
いずれも表紙に「部外秘」「用済み後は確実に焼却する」と機密性の高さがうかがえる印字があり、「一番最後にある所属、氏名欄は塗りつぶされています」と説明する商品もある。
発行年度は幅広く、古くは戦後まもなく、新しいものだと2017年の記載がある。数千~数万円で取引され、10万円超で落札された事例もあった。
教範をめぐっては、陸自隊員の不祥事が過去にあった。神戸新聞によれば、破棄しなければならない教範など計39冊を譲渡していたとして、2等陸曹が18年4月、停職20日の懲戒処分を受けていた。