阪神は「ベンチワークで落とした」 ヤクルト村上に3連続被弾...敬遠せず玉砕の矢野采配に疑問

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   ヤクルトの窮地を救ったのは4番・村上宗隆だった。2022年7月31日の阪神戦(甲子園)で圧巻の3打席連続アーチを放った。

  • 阪神・矢野燿大監督(写真:アフロスポーツ)
    阪神・矢野燿大監督(写真:アフロスポーツ)
  • 阪神・矢野燿大監督(写真:アフロスポーツ)

「終盤まで敗色濃厚の展開だった」

   負けたら今季2度目の同一カード3連敗となる試合。6回終了時点で0-2と苦しい展開だったが、村上が7回に左腕・渡邉雄大のスライダーを狙いすましたかのように捉えて35号左越えソロ、9回に相手守護神・岩崎優の内角直球を振り抜き、36号右越え同点ソロと試合を振り出しに戻した。

   神がかった打撃はこれで終わらない。同点の延長11回2死一塁で石井大智のナックルカーブを左翼席に運ぶ決勝弾の37号2ラン。3打席連続弾でチームの全4打点を叩き出す大活躍にヤクルトベンチもお祭り騒ぎだ。鮮やかな逆転勝利を飾り、2位・阪神に10ゲーム差と再び突き放した。

「ヤクルトは新型コロナウイルスで主力が離脱した7月上旬から調子が下降線をたどっていた。主力が後半戦に戻ってきてもエンジンがかかっていないように感じました。後半戦で2位・阪神に同一カード3連敗を喫したら、8ゲーム差。まだまだ大差ではありますが、阪神が勢いに乗って一気に迫ってくる怖さがあったと思います。この日も終盤まで敗色濃厚の展開だっただけに、この白星は大きい。リーグ連覇を飾ったらターニングポイントの試合になると思います」(スポーツ紙デスク)

「2ボールの時点で申告敬遠を指示するべきだった」

   一方で、阪神にとってはあまりに痛すぎる一敗だ。逆転優勝に向け、後半戦最初のカードとなった首位攻防戦。ヤクルトの首位独走を阻止するためにも、同一カード3連勝を飾るのは絶対条件だった。春先に大きくつまずき借金16までふくらんだが、前半戦で完済。後半戦もこの勢いで1、2戦目は圧倒したが、3戦目に白星を目前にしながら村上一人にやられ、連勝が5で止まった。

   阪神・矢野燿大監督の采配にも疑問が残った。手の付けられない状態の村上に対し、延長11回2死一塁で2ボールから石井が痛恨の一発を浴びた。結果論になるが、村上の次の打者は途中出場の渡邉大樹。今季打率.067と抑えられる確率は高い。得点圏に走者を進めることになるが、2ボールになった時点で村上を四球で歩かせるのも選択肢だっただろう。

   スポーツ紙記者は、「真っ向勝負が悪いわけではない。すべての打席で村上を歩かせるわけにもいかないし、7回と9回の1発は仕方ない。でも延長11回の1発は絶対に防がなければいけなかった。1軍での経験が浅い石井を責めるのは酷です。2ボールの時点で申告敬遠を指示するべきだった。ベンチワークで落とした試合だと思います」と分析する。

   この1敗が今後の戦いにどう響くか。阪神は気持ちを切り替えて、勝ち続けるしかない。

(中町顕吾)

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