ついに第100回...私達はなぜコミケに惹かれるのか SNSの盛り上がりに見る「唯一無二の魅力」

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   ツイートまとめサービスTogetter(トゥギャッター)を運営しているスタッフがTwitterで注目された話題を厳選し、考察するコラムの第61回をお送りします。今回のテーマは「コミケ(コミックマーケット)」です。

   コミックマーケット(以下、コミケ)は8月と12月の年2回開催される世界最大規模の同人誌即売会です。コロナ禍以前の2019年冬に開催された「コミックマーケット97」では、来場者数が史上最多の75万人に達しました。コミケ開催時期になるとTwitterでは、参加者の皆さんによる現地の様子を伝える投稿で盛り上がっています。

   コミケは2022年8月13日から開催される「コミックマーケット100」で100回目という大きな節目を迎えることに。運営のコミックマーケット準備会はTwitterで、開催100日前からのカウントダウンを投稿し、第1回目からの貴重な資料やエピソードを紹介しています。

<100回目を迎えるコミケが100日前からカウントダウン!資料や参加者の思い出ともに歴史を振り返る - Togetter>

   「コミックマーケット100」では入場チケットを事前に販売することで来場者数に制約を設けていますが、それでも開催期間中はTwitterでも大きく盛り上がることでしょう。そこで今回は、これまでTwitterユーザーが発信してきたコミケへの思いに迫ります。

Togetter社が解説する「3分くらいで分かる週刊Twitterトレンド」<出張版>

  • 東京ビッグサイト
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会場に入る前から戦いは始まる

   コミケに関する話題で恒例と言っていいほど投稿されているのは、参加初心者に向けたアドバイスです。

   「夏は地獄なので初心者は冬コミから参加しろ」「あらかじめ銀行で一万円札を千円にくずしておく」「大声で呼び込みをするのは避けたほうが無難」といった会場での振る舞い方など、参加経験者による実践的な情報が共有されています。

<コミケ初心者向け「 #誰も教えてくれないコミケの常識 」タグが秀逸過ぎる!夏コミケ逝く前に読んどけ - Togetter>

   とくに夏コミは過酷な「戦場」だという注意喚起が目立ちます。コミックマーケット準備会が発行するカタログでも「4~5日前から(身体を)暑さに慣れさせておく」「水分・塩分を持参する」といった、熱中症対策のアドバイスが具体的に掲載されています。

<コミケ(特に夏)はイベントではなく"戦場"であるという事がコミケカタログの『事前準備』の欄を見るとよくわかる「これは任意ではなく参加者の必須義務」 - Togetter>

   すべての参加者の協力で成り立っているイベントだからこそ、積極的にトラブルを防ぐ心構えを共有しようとする動きがあるようです。

予想外のドラマが生まれることも

   コミケ期間中は、参加者が会場の様子をTwitterで報告しあい、盛り上がります。中には、コミケ開催前から参加方法をTwitterで実況して注目を集めたユーザーもいました。

   2017年の夏、愛知県在住のコミケ参加者が愛知県からコミケ会場のある東京まで、ママチャリで向かうというチャレンジを敢行。途中経過をTwitterで実況しながら77時間かけて片道400km弱を走り、無事会場にたどり着くことに成功。到着までの状況が注目されていました。

<愛知県からコミケにママチャリで向かう勇者のお話(なお装備はビーサン)【片道走破】 - Togetter>

   その後も3回、自転車でコミケ会場に向かっており、今度の夏コミでも自転車で会場まで向かう予定とのことです。

   また、著名人がサークルとして参加することも。今夏のコミケでは人気漫画家の羽海野チカ先生がサークル参加を表明。ご本人は会場には来られないとのことですが、「羽海野先生が新刊を夏コミで頒布する」という事実はファンを中心に大きな衝撃を与えました。

   いろんなバックグラウンドを持つ人が一堂に会する場ならではの「さまざまな予想外」に、引き続き目が離せません。

時事ネタやアイデアが光るコスプレ

   コスプレはコミケにおける名物コンテンツのひとつ。クオリティの高い衣装や、その年に流行した時事ネタ、意表をつくコスプレなど、話題は尽きません。

<#c95 コミケのおもしろコスプレまとめてみた - Togetter>

   コスプレには有名人が参加することもあります。当時、TBSアナウンサー(現在はフリーアナウンサー)の宇垣美里さんによる『魔法少女まどか☆マギカ』のコスプレも注目を集めました。

   現地で宇垣アナのコスプレを撮影した人によると、当初は気づかず撮影しており、コスプレイヤーが宇垣さんだったことは後日のテレビ放送で知ったそうです。

<コミケ初日で「誰やろ」と思いながら写真を撮ったレイヤーさんが実はTBSの宇垣アナだった「破壊力高い」 - Togetter>

   今年はどんなコスプレが登場するのか、参加者の皆さんによるTwitterへの投稿に期待が高まります。

サークル参加者による苦い経験も伝わってくる

   Twitterではサークル参加する人たちの体験談も豊富です。中でも「頒布数」についての悲喜こもごもはサークル参加者たちの感情を揺さぶります。

   人気イラストレーターのIxyさんは初めてサークル参加したコミケで、用意した3000部の同人誌が大量に売れ残ったという「同人イベントで大爆死した話」をnoteに投稿。人気イラストレーターの苦い経験に、同情や共感の声が寄せられました。

<初コミケで3000部刷り...人気イラストレーターIxy氏の『同人イベントで大爆死した話』が壮絶、壁配置特有の厳しさの話も - Togetter>

   しかし、同人誌を売り上げることがサークル参加の目的ではなく、会場でしか味わえない熱気や交流に価値があると考えている人は多いようです。

   あるTwitterユーザーが、紙の本を作りコミケで頒布することを「音楽に例えるとライブ」と例えたツイートには多くの共感が集まりました。

<『なぜ電子書籍全盛の中、コミケで紙の本を売るのか?』への最適解は昔漫画家の先生が言っていた『音楽に例えるとライブ』だと思う - Togetter>

   初めてコミケが開催された1975年から比べると、同人誌も通信販売などで簡単に手に入るようになりました。しかしサークル参加者も一般参加者も、同人誌をただ売り買いするだけでなく、コミケでしか味わえない興奮や感動を求めているということが感じられます。

Twitterからわかるコミケの魅力

   Twitterから読み取れる、コミケの魅力をまとめると次の3つです。

・コミケはお互いの善意で支えられているイベントであると強く認識しており、参加ノウハウを皆で共有している
・著名人がコスプレやサークル参加することも
・コミケ会場でしか味わえない興奮や感動がある

   コミックマーケット100ではどんなドラマが生まれるのでしょうか。開催される日が楽しみですね。

   以上、Togetterがお送りする「3分くらいで分かる週刊Twitterトレンド出張版」でした。次回もお楽しみに。

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