「ちむどんどん反省会」「ちむどんどんする」 議論百出のハッシュタグから分析する「朝ドラ鑑賞法」

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   2022年度前期のNHK連続テレビ小説「ちむどんどん」をめぐり、ツイッターでは「#ちむどんどん反省会」というハッシュタグが作られた。名前通りドラマの振り返りを行うものだが、批判的な感想を呟くタグとして知られており、比較的ネガティブな声が目立つ。

   一方、反省会が盛り上がるにつれ、「#ちむどんどんする」という、「反省会」とは違った趣のハッシュタグ投稿もゆるやかに広まっている。同じドラマでも、使うタグによって違った鑑賞法が楽しめそうだ。両タグにはどのような声が寄せられているのか、またどの場面で盛り上がったのか。J-CASTニュースは2022年7月29日、SNS分析ツール「ソーシャルインサイト」を用いて分析した。

  • ちむどんどん公式サイトより
    ちむどんどん公式サイトより
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「#ちむどんどん反省会」に出てくる形容詞は...?

   沖縄の本土復帰50年に合わせて放映されている今作。1964年、まだアメリカ統治下だった本島北部「やんばる地域」から東京へ、ヒロイン・比嘉暢子(黒島結菜さん)がふるさとの食に夢をかけて料理人を目指す物語だ。タイトルの「ちむどんどん」は、「心がワクワクすること」を意味する。

   ツイッターでは連日、ドラマから生まれた「#ちむどんどん反省会」が盛り上がっている。直近90日の「ちむどんどん」を含むツイート数は78万4269件だったが、17%が同タグを用いている(なお、ソーシャルインサイトのデータはサンプリングされたものであり全量ではない)。

   「#ちむどんどん反省会」は複数の週刊誌で批判タグとして取り上げられた。ツイッターでも、タグについて「観た後のモヤモヤを共有することで救われるタグ」「いろいろなことが引っかかるから反省会タグに書き込む」とも言及されている。

   ソーシャルインサイトでタグ含む直近90日のツイート14万649件を分析すると、ネガティブな反応(14.9%)とポジティブ(15%)は拮抗する。一方で頻出する形容詞は上から順に「おかしい」「悪い」「酷い」「辛い」。ドラマについて、

「制作は誰もおかしいと思わなかったの?」
「気持ち悪い台詞を作らないでください」
「これ以上の酷い作品には会ったことない」

と辛らつな感想が寄せられたほか、「2倍速で観ても不快感が強くて辛い」などと視聴を苦にする声もあった。

賢秀の問題行動で激増

   「#ちむどんどん反省会」とタグ付けされた投稿は、第1週4月14日に100件を超える。5月9日には1日に2000件を超え、それ以降1日当たり平均約1600件の投稿がある。

   タグが目立ち始めた5月9日は、第5週「フーチャンプルーの涙」の初日。「東京に行き、料理人になりたい」と決意した暢子が上京を目指す一方で、兄・賢秀(竜星涼さん)が投資詐欺に遭ったことが判明した。絶望した賢秀はハンバーガー屋で大暴れ。店内を破壊し、居合わせた客に流血するほどのケガを負わせた。

   怒涛の展開に、ツイッターでは「見てるこっちがまさかやー」「沖縄を描くってこういうことなの?」などと驚く声が、タグ付きで投稿された。

   直後に放送される情報番組「あさイチ」のMC陣も「もう、どうしようもないね」「ちょっとニーニーには頑張ってほしい」などとコメント。その際の呆然とした表情も大きな話題になり、「この顔が全てを物語ってる」「あさイチの『朝ドラ受け』もうやめさせてあげて」といった声が反省会タグ付きで投稿された。

   さらには「頑張って観てたけど今日で離脱」と視聴を諦める声もあった。

賛否両論の第14週「渚の、魚てんぷら」

   1日に3000件を超え始めたのは、7月11日から15日にかけて放送された第14週「渚の、魚てんぷら」だ。

   初めて3000件を超えた7月13日には、鶴見の沖縄県人会が開催する沖縄角力(すもう)大会の決勝戦の様子が描かれた。暢子の幼馴染の砂川智(前田公輝さん)と青柳和彦(宮沢氷魚さん)がぶつかり合う回だ。智は大会に優勝したら暢子にプロポーズすると意気込むが、結果は翌日に持ち越された。

   智は暢子を想うが、暢子は婚約者がいる和彦に恋を寄せていた。和彦も暢子に好意を寄せており、暢子の弁当を「やっぱりうまいよ暢子の料理。今まで食べた天ぷらで一番おいしい」などと絶賛。

   しかし反省会タグでは「婚約者の前で言うことではない」などと、和彦の浮ついた態度に厳しい声が寄せられている。さらに暢子の横恋慕や、炎天下で開かれた大会の弁当の具に天ぷらが用意されたことにもツッコミが入った。

   一方でハッシュタグ「#ちむどんどんする」には、物語に対する好意的な声が寄せられている、タグを含む直近90日のツイート2万9864件を見ると、ポジティブ(25.8%)がネガティブな反応(5.78%)を上回る。最も頻出する形容詞は「良い(よい)」。

   反省会と同じく、特に盛り上がったのは第14週。沖縄角力大会に優勝した智が暢子にプロポーズした7月14日に、1034件の投稿があった。

   同タグでは、想い敗れた智に対し「智、元気出して」「智...大丈夫かな」と気遣う声が寄せらている。さらには智を演じた前田さんに「良質な演技をありがとう」「今日はなんといっても智役の前田公輝さん大大大熱演 素晴らしかったです」と称賛する声も投稿された。

今週も盛り上がる両タグ

   今週放送された第16週「御三味に愛を込めて」は、両タグともに過去最高の投稿数だった。「#ちむどんどん反省会」は25日に6831件、「#ちむどんどんする」は7月26日に1242件だった。

   25日は、結婚を決めた暢子と和彦が、和彦の母・重子(鈴木保奈美さん)に初対面。26日からは、暢子が重子に認めてもらうために毎日手作りの弁当を届ける様子が描かれる。

   「#ちむどんどん反省会」では、和彦の上司・田良島の発したセリフ「母親の一番の不幸は息子と結婚できないこと」が問題視されたほか、暢子が重子への手土産にビニール袋で縛ったサーターアンダギーを用意したことに批判の声が寄せられた。

   「#ちむどんどんする」では、結婚を認めない重子に向き合う暢子を応援する声が寄せられた。

「暢子が今一番の敵に対しても悪く言わないのすごく強みだ」
「『うちたちは同じ世界に生きてるから』暢子のあまりに素直な屈託のない言葉に泣きそう」
「ものすごい荊道を突き進む彼女を応援せざるを得ないじゃん......」
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